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FPさんの 生命保険見直し・死亡保障の必要額 FPさんが解説する 社会保険と国・公的保障

生命保険で必要な死亡保障額をシミュレーションで計算する方法

更新日:

死亡保障はどのように考えたらよいのでしょうか。いくらぐらい必要なのでしょうか?

これは「〇〇歳の人は〇〇〇〇万円」というふうに簡単・単純に死亡保障の額は言うことができません。

なぜなら、人によって職業や家族構成、持っている財産、生活水準が異なり、それによって必要となる死亡保障額が異なるからです。

同じような家族構成(たとえば、会社員の夫、専業主婦の妻、中学1年生と小学3年生の子どもがいる)の場合でも
・住んでいる地域や家の種類(持家なのか賃貸なのか)
・子どもの将来の進路
・生活水準(派手な生活なのか、質素な生活なのか)
・資産(預貯金、不動産といったプラスの資産と、ローン、借金などのマイナスの資産)
などによって、世帯主が持つべき死亡保障の金額は異なります。

※図

死亡保障額の計算方法は、以下のようになります。

①「亡くなった後の遺族に必要な生活費や教育費などの合計」
②「亡くなった後に受けられる公的な保障や今までの預貯金の合計」

①と②の差額が、生命保険で備える死亡保障額になります。

※図

①の「亡くなった後の遺族に必要な生活費や教育費」とはどのようになるのでしょうか?
亡くなった後から子どもが独立するまで(下の図【A】の部分)と、
そこから老齢年金を受け取るまで(下の図【B】の部分)、
老齢年金を受け取り始めて平均余命で亡くなるまで(下の図【C】の部分)の
それぞれにかかる生活費を計算していきます。

*平均余命は、厚生労働省の平成27年度簡易生命表で算出しました。
参考:厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life15/dl/life15-07.pdf

参考:公益財団法人 生命保険文化センター『生命保険の加入金額の目安は?』
http://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/life_insurance/life_insurance_q2.html

※図

生活費30万円で、夫39歳、妻36歳、子ども3歳の時に夫が亡くなった場合、
その後の妻と子どもの生活費の合計を計算してみます(教育費も生活費30万円の中に含まれると仮定します)。

【A】の期間
子どもが独立する(アルバイトなり就職なりして一人でお金を稼ぐことができるようになる)までの
生活費を計算します。

子どもが23歳(大学卒業)で独立すると仮定したら、
それまでにかかる生活費は、夫死亡前の70%の生活費になるとして、
30万円×70%×12×(23-3)=5,040万円
になります。

【B】の期間
子どもが独立した後、妻が老齢年金を受け取るまでにかかる生活費を計算します。

子どもの生活費がかからなくなるので、夫死亡前の50%の生活費で足りるとして、
30万円×50%×12×(65-56)=1,620万円

【C】の期間
妻が老齢年金を受け取ってから平均余命で亡くなるまでの生活費を計算します。

これは【B】の期間と同じ水準と仮定します。
30万円×50%×12×(87-65)=3,960万円

【A】【B】【C】すべての期間で必要になる生活費の合計は
5,040万円+1,620万円+3,960万円=10,620万円
なんと約1億円にもなります!

これが、夫が亡くなってから妻が亡くなるまでの期間で必要になる生活費の合計です。

とはいえ、このすべてを生命保険で備えないといけない訳ではありません。
遺族年金、老齢年金という国からの援助・公的保障(社会保険)がありますので、その分を差し引きする必要があります。

その計算が、②の「亡くなった後に受けられる公的な保障や今までの預貯金の合計」になります。

ただし、この計算は世帯主の職業(会社員か自営業かなど)によって異なります。

 

モデルケース別に死亡保障の金額を見てみる

家族の収入の大黒柱に万が一のことがあった時に、
公的保障・遺族年金から生命保険に必要な死亡保障額がいくらぐらいなのか?をモデルケース別に計算したページを用意しましたので、ご自身のケース・パターンに近いものを一度目を通してみてくださいね。

パターン1:会社員の夫、専業主婦の妻で夫が亡くなった場合の死亡保障

パターン2:自営業の夫、専業主婦の妻で夫が亡くなった場合の死亡保障

パターン3:夫婦共働き(正社員)で夫が亡くなった場合の死亡保障

パターン4:夫婦共働き(正社員)で妻が亡くなった場合の死亡保障

パターン5:新婚夫婦(夫が会社員 妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障

パターン6:新婚夫婦(夫が自営業 妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障

パターン7:子どもがいない、またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫は会社員)

パターン8:子どもがいない、またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫は自営業)

パターン9:年の差婚の場合の死亡保障

いろいろなパターンがありますが、重要なことは、生命保険の死亡保障を考える前に遺族年金を計算しておくことで保険のかけす過ぎや不足を防ぎ、無駄なく保障を持つことができるということです。

そして実は10個目のパターンがあります。

それは、あなたの家庭です。

ただしこれは、数々のパターンでご紹介したとおり「3人家族だから死亡保障は3,000万円」「子どもがいないから〇〇〇万円だけでいい」というものではありません。

毎月の生活費、共働きかどうか、夫や妻の職業、世帯年収、子どもにかけるお金、家族で旅行に行く回数、車の買い替えのタイミング、家を買うetc…これら人生設計のなにもかもが人によって異なります。

それこそ、オーダーメイドです。

今回ご紹介したパターンの中からあなたの家庭と同じようなところを参考に、ご自身が亡くなった後の遺族に必要な生活費や、国からの遺族年金、現在の預貯金、勤務先の弔慰金制度などをあてはめて計算してみてください。

遺族に必要な生活費よりも遺族年金や現在の預貯金などを合わせた金額が少なければ、その金額を生命保険で補う必要があります。

FPのN女史
ご自身で計算できるように、下記の計算式を用意しました。

 

あなたの家庭に必要な死亡保障額を計算する

(A)子どものいるご家庭に必要な生活費の計算フロー

万が一時、必要な生活費 金額
①現在の毎月の生活費は? (     )円
②(     ←家族の名前)に万が一の時、
遺族の生活費は? (①の金額     )円×70%=(     )円

③子どもが独立するまでは何年間必要? (     )年間
↑子ども(兄弟がいる場合は一番下の子ども)が独立するまでの年数
④子どもが独立するまでに必要な生活費の合計は?
(②の金額     )円×12×(③の年数     )=(       )円

⑤子どもが独立してから老齢年金を受け取るまでの生活費は? (①の金額     )円×50%=(     )円
⑥子どもが独立してから老齢年金を受け取るまでは何年間? (     )年間
⑦子どもが独立してから老齢年金を受け取るまでにかかる生活費の合計は?
(⑤の金額     )円×12×(⑥の年数     )=(       )円

⑧老齢年金を受け取って以降の生活費は? (①の金額     )円×50%=(     )円
⑨老齢年金を受け取って以降、平均余命で亡くなるまでの年数は? (     )年
⑩老齢年金を受け取って以降、平均余命で亡くなるまでにかかる生活費は?
(⑧の金額     )円×12×(⑨の年数     )=(     )円

万が一の時遺族に必要な生活費の合計は?
(④の金額     )円+(⑦の金額     )円+(⑩     )円=(     )円

 

(B)万が一の時に受け取れる金額

受け取れるお金の種類 金額
①死亡退職金(会社員の場合) (     )円
弔慰金の規定を確認してみましょう。

②遺族基礎年金(年額) (     )円
子どもがいて、かつ18歳未満の場合に限る。
(身体障害のある場合は20歳未満)
子ども1人:1,004,600円
子ども2人:1,229,100円
子ども3人:1,303,900円

③遺族厚生年金(会社員の場合) (     )円
標準報酬月額によって異なる。

④遺族基礎年金と遺族厚生年金の合計額 (     )円
自営業の場合は②の金額のみ記入。

⑤子どもが18歳になるまでの年数 (     )年間
⑥子どもが18歳になるまでに受け取れる遺族年金の額
(④の金額     )円×(⑤の年数     )=(       )円

⑦中高齢寡婦加算の金額(年) 585,100円
会社員の妻のみ。
⑧子どもが18歳になった後、老齢年金を受け取るまで(65歳)の年数 (     )年間
会社員の妻のみ。

⑨子どもが18歳になった後、老齢年金を受け取るまでに受け取れる遺族年金の金額
{(③の金額     )円+(⑦の金額     )円}×(⑧の年数     )=(     )円
⑩寡婦年金 585,075円×対象となる年数
=(       )円
*受け取りには諸条件あり。

⑪老齢基礎年金の額 780,100円
⑫老齢年金を受け取ってから平均余命で亡くなるまでに支給される老齢年金の額
{(③の金額     )円+(⑪の金額     )円}×(平均余命―65)=(       )円

万が一の時から受け取れる公的な遺族年金の額
(①の金額     )円+(⑥の金額     )円+(⑨の金額     )円+(⑩の金額     )円+(⑪の金額     )円=(       )円

 

あなたの家庭で必要な生命保険の死亡保障額の目安の計算結果は?

子どもの教育費や車の買い替え、すでにある負債(車のローンなど)、すでにある財産(家、預貯金、株など)は計算に入れていないため概算にはなりますが、
表(A)の金額ー表(B)の金額=あなたの家庭に必要な保障額
ということになります。

さて、今加入している生命保険の死亡保障額は、あなたにぴったりあっていますか?

死亡保障額は多すぎても少なすぎても良くありません。

 

生命保険はよく「晴れた日に買う傘」にたとえられます。
傘は晴れているとき(何のトラブルがないとき)には使いません。
傘は雨(万が一のトラブル)に備えて常に持っているものです。

生命保険という傘は雨が降ったら買うことができないものです。
大きすぎても、小さすぎても、古くて役に立たなくてもダメなんです。

 

生命保険の死亡保障額が多すぎた場合、それだけ安心かもしれませんが、その分高い保険料を毎月支払っていることになるので、家計にとってはデメリットです。

解約や減額、払済といった手続きによって、毎月の保険料負担を抑える事ができるため、
保険の担当者やファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

保険は誰に相談?どこで加入?⇒生保レディと保険ショップと通販型保険の比較!

 

逆に死亡保障額が少なすぎた場合は、追加で加入することも検討してみましょう。
今加入している生命保険の死亡保障額を増額したり、新たに追加加入したりといった方法があります。

また、会社員の方であれば、勤務先によっては団体保険の制度があるところもあります。

団体保険は退職してしまうと保障を持てなくなりますが、その会社の社員しか加入できない割安な保険です。
今後、転職や独立といった予定のない方は、団体保険も活用してみるのも良いでしょう。

 

「家を買うと、家のお金の分だけ生命保険の死亡保障を下げることが可能になる」
というのは聞いたことはないでしょうか?

それは、家を買う時に加入する団体信用生命保険があるからです。
団体信用生命保険とは、家の持ち主に万が一の場合には住宅ローンの残債を保険で支払うというものです。

団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの利息に一定利率が上乗せされています。
生命保険の一つですが、年齢、性別による保険料の差はありません。

ただ、団体信用生命保険があるからといって、すべて安心できるわけではありません。

マンションでは、万が一の時に団体信用生命保険によって住宅ローンの返済がなくなったとしても、管理費や修繕積立金などが毎月発生します。

一戸建であれば、定期的な修繕は自分でやっていかなくてはなりません。死亡保障を考える時には、このような生活費とは別枠の出費も無視できません。

また、持ち家だと固定資産税を毎年支払う必要もあります。

 

このように、万が一の時の死亡保障は、家族構成だけでは単純に計算できないものです。

何の保険に加入するかという選択は難しいかもしれませんが、保険はご自身やご家族を守る大切なものであり、また、自身のお金を保険料として長期間納めるという点で人生設計に関わります。

「なんとなく保険に加入してしまっていた」「今の保障がどれくらいあるのかわからない」といった方は、ぜひこの機会に生命保険の証券を確認して、ご自身の人生に合った「備え」を考えてみてくださいね。

「備えあれば憂いなし」とも言いますが、生命保険はまさにそれですよ!

 

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「団体保険、財形保険」http://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/group.html
参考:同上「公的な遺族年金の仕組みについて知りたい」http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/11.html
参考:住宅金融支援機構 http://www.flat35.com/loan/atoz/10_1.html

注)
1.このコラムでの年金制度については2016年1月時点での情報をもとに作成しています。また、各年金額については2015年の金額をもとに計算しています。
2.遺族年金の受給要件につきましては、このコラム記載以外にも細かく設定されている場合があります。詳細は日本年金機構 http://www.nenkin.go.jp/ の情報をご覧ください。
3.いろいろな家族のパターンでの遺族年金のシミュレーションにつきましては、年金の未納や免除期間が無く、満額受給可能な条件を満たしていると仮定して作成していますので、実際の受け取り額につきましては、被保険者それぞれの加入期間、標準報酬月額、未納や免除期間の有無によって異なりますことをご了承ください。
4.詳細な年金支給額につきましては、1年に一度送付される『ねんきん定期便』を確認するか、各地域の年金事務所、社会保険労務士などの専門家にお問い合わせください。

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