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住宅ローン審査と金利/自営業のマイホーム

自営業は住宅ローン審査に通らない? 元銀行員が話す審査落ちで借りられない理由

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カードローン審査などでは、自営業者は最も審査に通過しにくい属性として有名です。住宅ローンは個人が借りることができるローンとしては審査の難易度は最難関です。
カードローンでも審査通過が厳しいのですから住宅ローンでは自営業者はさらに審査通過は難しくなります。
では自営業者は住宅ローンを借りることはできないのでしょうか?そのようなことはありません。ポイントさえしっかりと押さえれば自営業者でも住宅ローンを借りることは可能です。
自営業者と住宅ローン審査のポイントについて解説します。

住宅ローンの審査基準

住宅ローンの審査基準は様々ありますが、大きな基準としては以下の4つの基準があります。
まずは、住宅ローンに申し込んだ人であれば誰でも属性に関係なく必ずチェックされる基準について説明します。

申込基準

住宅ローンは申し込むことができる人の基準があらかじめ設定されています。
この基準を満たしていない人はそもそも住宅ローンに申し込むことすらできません。
申込基準は商品ごとに異なるものの、主な基準は以下の3点です。
①年齢基準
②勤続基準
③年収基準

①年齢は20歳以上で完済時年齢が75歳~80歳までくらいという条件が設定されていることが一般的です。
未成年者や、完済時の年齢があまりにも高齢である人は住宅ローンに申し込むことができません。

②現在の勤務先にどの程度勤務しているのかという基準があらかじめ設定されている住宅ローンほとんどです。
多くの住宅ローンでは勤続年数1年以上、中には勤続年数3年以上という商品も存在します。
住宅ローンは長期間にわたって返済していくものですので、今の返済能力が今後も継続していくと考えられることが重要になります。勤続年数が長い人ほど、今後も今の勤務先に勤務する蓋然性が高いため、勤続年数は長ければ長いほど審査に有利となり、勤続年数1年以上という基準が設定されている住宅ローンでも、勤続年数は3年以上ないと審査に落ちてしまうこともあります。
また、後述しますが、そもそも勤務しているわけではない自営業者や小規模な法人の代表者には勤続年数の代わりに別の基準があります。

③年収基準
後述しますが、年収は借入可能額に大きく関わるローンです。
しかし、そもそも一定以上の年収がないと住宅ローンには申し込むことすらできないことがほとんどです。
年収基準もローンによって異なりますが、前年度年収150万円か200万円と決まっているローンがほとんどです。

住宅ローンには以上の申込基準があり、これらの基準を満たした場合のみ、申し込むことができ、審査に進むことができます。
では、具体的に審査の基準はどのようになっているのでしょうか?

信用情報

審査の入り口で信用情報の照会を行います。
ブラックの人は審査に通過することはできませんが、住宅ローンはその他の点についてもかなり厳格に審査を行っています。
具体的には以下の基準で信用情報の審査を行っています。
①他債務
カードローンのような使い道自由なローンが2本以上あると住宅ローンの審査通過は難しくなります。
消費者金融のカードローンの場合には1本あるだけでも印象が悪いため、できれば住宅ローン申込前に消費者金融からの借入は清算したおいたほうがよいでしょう。
また、住宅ローン審査の際には実際にお金を借りておらず、カードローンの枠だけが残っている状態でも他債務としてみなされる場合があります。
このため、住宅ローンの申込前には使用していない枠は解約しておいたほうが無難です。

②クレジットヒストリー
借入金やクレジットカードの支払状況を過去24か月分記録したものをクレジットヒストリーといいます。
住宅ローン審査においては、できれば1年間で1度も期日遅れがない状態、さらにいうなら期日遅れが2年丸々ない状態が理想です。
クレジットヒストリーにちょこちょこと遅れがある状態ではカードローン審査には通過できる人でも住宅ローンの審査には落ちてしまいます。
住宅ローンの借り換え審査においては、借り換え前の返済に1度も遅れがないというのが基本で、許容される遅れは1年間に1回程度です。
新規でも借り換えでも、返済に遅れがないということは住宅ローン審査における大前提となりますので、基本的にはクレジットヒストリーに遅れの記録が1回もないという状態が必要になります。

返済比率

自営業者が最も審査に通過できない理由がこの返済比率になります。
住宅ローンの審査基準には、住宅ローンの年間返済額を一定の範囲内までにしなさいという基準があり、これが返済比率です。
たとえば年収600万円の人が、返済比率30%以内というローンを借りた場合に許容される返済比率は600万円×30%=180万円となります。
この人は年間の返済額が180万円以内となるように住宅ローンを組まなければなりません。
ちなみに、金利1%で30年ローンを組んだ場合に、年間180万円の返済金で借入できる限度額は4,660万円以上になります。
この場合、毎月15万円もの返済額となり、かなり高額まで対応可能ですので、サラリーマンの住宅ローンとしては高額すぎて現実的ではありませんが、返済比率から求めることができる金額としては、この場合、4,660万円までとなります。
銀行が認めた使い道の範囲内で4,660万円以下であれば、この人は自由に借入金額を設定できます。

担保評価

住宅ローンは基本的に担保評価額の100%以下までしか借りることができません。
建物で新築の場合には工事請負価格(建築価格)=建物評価額となりますので、担保割れの心配はありません。
また、マンション購入の場合も、基本的に売価=評価額となるため、担保割れとなる心配はありません。
しかし、土地の場合には、土地の売価が評価額を上回る場合には、評価額までしか借りることができません。
一般的には、土地の売価は銀行の評価額以下に設定されていること多いため、土地購入の際も現実的には担保割れの心配は不要です。
しかし、問題なのは中古の一軒家を購入する場合です。
建物は木造であれば20年~30年経過すると建物の価値は残存価格を残して0円となってしまいます。
このため、中古物件購入の場合には往々にして担保割れということがあります。
中古物件購入の場合には頭金を用意しておかなければ、フルローンで住宅を購入するということは難しいでしょう。
ただし、借り換えの場合には、どうしても担保物件が中古になっているため、評価額の200%までの融資に対応している住宅ローンも少なくありません。

 

自営業者は決算内容も精査される

住宅ローンは高額かつ今後数十年にわたって返済を続けているローンです。
そのため、自営業者の審査の基準には「事業の内容が今後も継続して利益を出せるかどうか」という点も審査されます。
申込の際には確定申告書3期分以上を提出し、過去3年間の業況が安定しているかどうかも審査の対象となります。
ここで不安定であった場合には審査落ちとなってしまう場合があります。
たとえ前年度は収益を出せていたとしても、それが継続していないと自営業者の審査通過は難しくなってしまいます。今後も赤字に転落して返済に支障があると懸念されてしまうためです。

 

自営業だと住宅ローンが組めない・借りにくいという話・噂は本当?

それでは、自営業者は住宅ローンの審査に通過することができないのでしょうか?
結論的に言えば、通過できない可能性は0ではないが、給与所得者と比較して、審査通過のハードルがかなり高くなるといえます。

自営業者は申込基準が厳しくなる

先ほど、住宅ローンには厳格な申込基準があると説明しましたが、自営業者にはさらに厳格な申込基準が設けられていることが一般的です。
勤続1年以上との申込基準が設けられている住宅ローンでも個人事業主の場合には営業年数3年以上は必要になります。
申込基準の欄に「勤続1年以上(営業年数3年以上)」との記載がある住宅ローンがありますが、これは、自営業者は3年以上を営業していないと申込資格がないということを意味します。
ただでさえ、業況が安定しない自営業者がたった1年利益を出しだというだけでは今後も安定して、所得が見込めるとは判断できません。
やはり、3年以上の営業実績があってこそ初めて住宅ローンに申し込めるようになるのです。
よく「独立するなら、その前にローンを借りておけ」などと言われますが、その理由はここになります。
たとえ開業後すぐに事業が軌道に乗ったとしても、その後3年間は住宅ローンを組めなくなるためです。

自営業者は返済比率に抵触することが多い

自営業者は、節税のために、自分の生活費も事業の経費に入れ込んで、経費を膨らませて、所得を少なくしているのが当然のようになっています。
同じ生活レベルの会社員と自営業者が年間の生活費が500万円で年間100万円の余裕資金が生まれる場合、税務上の課税所得はそれぞれ以下のようになります。
会社員:課税所得(給料)600万円-所得税-生活費500万円=余裕資金100万円
自営業者:売上1,000万円-経費400万円-生活費500万円=課税所得(利益or余裕資金)100万円-所得税という計算になります。
会社員は所得600万円に対して税金が課税されますが、個人事業主は100万円に対してしか課税されないため、個人事業主のほうが払う税金が少なくて済むというメリットがあります。
しかし、審査の際に所得とみなされるのは課税所得です。
同じ生活レベルで同じだけの余剰資金が毎年生じるにも関わらず、個人事業主のほうが審査が圧倒的に不利になってしまうのです。
ちなみに、先ほどと同条件で、金利1%で30年ローンが返済比率30%であった場合に借入可能な金額は約772万円となります。
年収100万円で申し込めるローンがあるかどうかはともかくとして、節税のために所得を圧縮できるというメリットがあるからこそ、自営業者は借入できる金額が非常に狭まってしまうのです。

自営業者向けの保証基準も存在

自営業者は事業が安定していない限りは、自営業者というだけで厳しい目線で審査の際に見られてしまいますし、所得を低く申告している場合には審査通過が非常に困難な業種です。
そのため、銀行によっては、自営業者のような所得が不安定な人向けの保証会社の保証基準を設けた住宅ローンも存在します。
このような商品は一般の住宅ローンでは審査に通過できない自営業者も住宅ローン審査に通過できる可能性はありますが、保証料が一般の住宅ローンよりも数倍かかってしまいます。
100万円を優に超えるような保証料がとられることも全く珍しくありません。
やはり自営業者は審査に通過できるとしても、給与所得者よりも不利な属性であることは間違いないようです。

その他の基準は給与所得者と変わらない

自営業者は、事業の内容そのものの審査があるという点、また、返済比率の審査に通過するのが困難になることが多いという点以外は給与所得者とそれほど変わりません。
逆に言えば、事業の内容が安定しており、所得が返済比率に収まる範囲内であれば十分に自営業者でも住宅ローンを借りることができる可能性は高いといえるでしょう。

 

自営業者が住宅ローン審査通過のために必要なこと

それでは、自営業者が住宅ローンの審査に通過するために事前に準備できる方法を2つご紹介します。

真正の所得を3年以上継続

先ほど、自営業者は事業の経費の中に生活費を混ぜ込み、経費を膨らませていると説明しました。
ローンの審査の際に審査材料となる所得は、あくまでも課税所得ですので、経費を混ぜ込み、所得を小さくしないということが重要になります。
先ほどの事例で生活費を経費に算入しない場合には所得は以下のようになります。
売上1,000万円-経費400万円=所得600万円(-生活費500万円-余剰資金100万円)
このように、確定申告の際に、真に事業のために発生した経費だけを計上し、所得の中から生活費を払うということを行えば、審査の際、不要に低い所得が理由で、審査のハードルを上げることはなくなります。
ただし、当然ですが、所得が高くなるため、所得税は多くなってしまいます。
住宅ローンを組んだ後は所得を低く戻しても銀行は何も言いませんし、住宅ローン減税もありますので、後から税金は取り戻すことも可能です。
少なくとも住宅ローン申込前から3年間は真正の所得で申告を行うようにしましょう。

経営が安定した状態を3年以上継続

先ほど述べたように、住宅ローン審査の際には、自営業者は事業の内容まで審査の対象となります。
今後も継続して利益を出し続けることができる事業者か否かの審査のために過去3年分以上の決算内容を審査するのです。
この3年間の間に1度でも赤字があると、審査通過は非常に難しくなります。
「安定していない」とみなされるためです。
このため、事業内容が黒字という状態が少なくとも3年以上は継続した状態で審査に臨みましょう。
住宅ローンの申込前3年間は、事業が不安定になりがちな新規プロジェクトの開始などは、よほど成功する見込みがない場合以外は手を付けないほうがよいでしょう。

 

フラット35は自営業でも借りられる?フラット35とは?

住宅ローンには、民間の金融機関からお金を借りる方法の他にフラット35という公的な住宅ローンが存在します。
フラット35とはどのような商品で、自営業者でも借入が可能なのでしょうか?

国が関与した公的な住宅ローン

フラット35は以前の住宅金融公庫という政府系金融機関が取り扱う住宅ローンでしたが、2007年に住宅金融公庫の業務を継続した独立行政法人である住宅金融支援機構が取り扱いを行っています。
ちなみに住宅金融支援機構の所轄官庁は国土交通省と財務省で、現在も実質的には国の住宅ローンといえます。
民間の金融機関は顧客から預かった預金を原資として融資を行っていますが、住宅金融支援機構の原資は税金です。
この点が民間金融機関の住宅ローンとの大きな違いです。

フラット35の商品概要

フラット35の商品概要は以下の通りです。
まず、最初に、フラット35はその名の通り、最長35年間金利が固定され変わりません。
現在は歴史的な低水準ではありますが、今後20~30年の間に金利はどう動くのかは全く分かりません。
このため、歴史的な低金利水準の今のうちに金利をすべて固定させることができるフラット35は人気の住宅ローンです。
金利:1.04%~2.13%(2017年8月現在)となっています。
返済比率:年収400万円未満30%以下、年収400万円以上35%以下
借入額:100万円以上8,000万円以下
借入期間:(15年以上35年以下)(80歳-申込年齢)のいずれか低い年数

収入合算が可能

フラット35は本人以外の配偶者や親の年収を、本人と合算して審査を受けることができます。
具体的には以下の4つの条件すべてに当てはまる人が1人まで収入合算可能となっています。
(1)申込者本人の親、子、配偶者等
(2)申込時の年齢が満70歳未満の方
(3)申込みご本人と同居する方
(4)連帯債務者になる方(1名のみ)
自営業者は所得が低いため審査に不利になりますが、収入合算を利用することによって、希望額通りの借入が実現できる可能性があります。
同居している親が70歳未満で連帯保証人とすることができれば収入合算が可能となります。
他の住宅ローンでは収入合算が可能でも、合算者の収入の50%しか合算できないようなこともありますが、フラット35は全額合算が可能ですので、所得の低い自営業者にはより有利な住宅ローンといえます。

融資率によって金利が変わる

フラット35は自己資金があれば金利が優遇されるというメリットがあります。
具体的には借入期間が21年以上の場合には
融資率が9割以下の場合には1.120%~1.690%となります。
融資率が9割超の場合には1.560%~2.130%となり、金利が融資率によって大きく異なります。
それぞれ金利に幅があるのは、フラット35は取り扱い金融機関によって金利が異なるためです。
最も有利な条件で借りることができるフラット35を探しましょう。
ちなみに融資率とは
借入額÷住宅の建設費または購入価額で計算します。
購入価格3,000万円の住宅に対して自己資金を300万円用意して2,700万円の借入を行った場合には2,700万円÷3,000万円=0.9となり金利が優遇されます。
つまり、フラット35をより有利な金利条件で借りたい場合には購入価格の1割以上の自己資金をもっている必要があります。

団信保険料は別

民間銀行の住宅ローンと大きく異なる点がこちらです。
民間銀行の住宅ローンは団体信用生命保険への加入が必須です。また、特約を付けない通常の死亡保障のみの団信保険料は金利に含まれているため費用がかかりません。
しかし、フラット35は団信加入が強制ではありませんので、別途団信保険料が必要になります。
保険料は金利によって変わり、住宅ローン残高によって異なります。
ちなみに、団信特約なしで3,000万円を1.12%で35年返済で借りた場合の初年度保険料は107,300円となります。
決して低い金額とは言えません。この点は明確にフラット35のデメリットであるといえます。

大きな枠では銀行ローンと変わらない

その他の基準は民間銀行の住宅ローンと大きくは変わりません。
国の住宅ローンだからといって、所得を低く申告している自営業者が審査で有利になるとは言えませんし、自営業者はやはり事業の安定性もしっかりと審査されます。
自営業者はやはり審査に通過するためには申込の数年前からしっかりと審査に通過しやすい事業内容と確定申告書を準備する必要があります。

 

自営業の住宅ローン審査 まとめ

住宅ローン審査は個人が借りるローンとしては審査難易度は最難関のローンです。
自営業者①所得が安定しない②所得を低く申告しているという2つの特徴があるために、住宅ローンの審査に通過するにはもっとも難しい属性であることは間違いありません。
とは言え、事業内容が安定しており、返済比率の基準をクリアすることさえできれば自営業者であっても審査通過はそこまで難しくはないでしょう。
住宅ローンを組む計画の3年以上前から①所得を大きくする②事業内容を返済比率に適合するような所得が計上できるように安定させるという2つのポイントだけ気を付ければ審査通過は決して難しくはありません。
ぜひ、審査に通過できる自分を作るように心ががけておきましょう。

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