クレジットカードの支払いで、毎月の支払い額が少なく、かつ定額のリボ払いを利用している人も少なくないのではないでしょうか?
しかし、リボ払いはあまりにも簡単に少額の支払いで高額の買い物ができてしまうため、リボ払いのカードの利用残金が溜まってしまう人も少なくありません。
クレジットカードが限度額に達したからといって、他のクレジットカードへ手を出してしまったら、カード破産の入り口となってしまいます。
そこで、クレジットカードのリボ払いの残金をカードローンで借り換えるという方法があります。
ただ、カードローンで借り換えることができれば、クレジットカードの残金はゼロになるのは確かですが、リボ払いをカードローンで借り換えたことによって必ずしも得になるわけではなく、場合によってはより多くの利息を支払わなければならないこともあります。
この記事では、クレジットカードのリボ払いをカードローンで借り換える場合の注意点やメリット・デメリットを解説するとともに、借り換えのシミュレーションも行ってみました。
目次
リボ払いをカードローンで借り換えたら得になる?損になる?
リボ払いをカードローンで借り換えることにはメリットとデメリットがあります。
借り換えを検討している人は事前にメリットとデメリットをはっきりと理解しましょう。
メリット① 金利が低くなる可能性
リボ払いの手数料率(金利)は多くの場合で15%程度です。手数料率の高いクレジットカードになると、18%という利率を設定している場合も少なくありません。
銀行系カードローンの最高金利は14%~18%程度ですので、平均的なカードローンで借り換えを行えば金利が低くなるというメリットがあります。
メリット② ショッピング枠に空きが出る
クレジットカードのリボ払いをカードローンで借り換えてしまえば、当然ながらクレジットカードのリボ払いの残金は0円になるため、その分だけショッピング枠に空きが出ることになります。
クレジットカードの限度額がいっぱいになると、公共料金の決済ができない、ネットショッピングの購入が後から取り消されるなどの不都合がありますが、このような不都合を解消することができます。
メリット③ 月々の支払いが楽になることがある
カードローンは同じ金額を借りても毎月の最低返済額はローンによって異なります。
このため、毎月の最低返済額の低いカードローンに借り換えてしまえば、毎月の支払いがリボ払いよりも少なくなるというメリットがあることがあります。
メリット④ 複数のリボ払いを一本化可能
カードローンは何に借りたお金を使用しても自由なローンですので、複数のリボ払いのおまとめにも使用することができます。
複数のリボ払いの合計額が大きくなればなるほどカードローンの金利が低減していく可能性が高くなりますので、金利のメリットを得ることができる可能性もあります。
デメリット① 場合によっては損になることも
ほとんどのカードローンの返済は残高スライド元利定額方式という方法が採用されています。
残高スライド元利定額方式とは、借入残高に応じて設定された最低返済額の中に、利息の支払いと元金の支払いが含まれている方法です。
毎月1万円の返済でも、その内訳は利息が4,000円、元金返済が6,000円などというようになっているため、1万円が丸々元金返済に充当されないのです。
一方、クレジットカードのリボ払いは基本的に元金定額方式です。
この方法は、元金の支払いと手数料(利息)の支払いが別に行われるのです。
定額返済額が1万円であれば、その1万円はすべて元金の返済に充当されることになり、手数料は別に支払います。
仮に、金利15%で20万円を定額1万円で借りた場合の返済の比較を、このページの下部でシミュレーションしていますので参考にしてみてください。
デメリット② カードローンは「借金」
クレジットカードのリボ払いがいくらあってもそれはローンの借金とは異なります。
カードローンなどの借入があると、住宅ローンなどの他のローンの審査には不利になります。
ローン借金ではないクレジットカードのリボ払いをカードローンに借り換えるということは、銀行融資の観点では借金がないと見なされる状態から、借金がある状態に変わるということですので、他のローンの審査には不利になります。
住宅ローンなどの審査が厳しいローンを借りる前にはできればカードローンへの借り換えを行わないほうがよいでしょう。
金利15%で20万円を定額1万円で借りた場合の返済の比較
クレジットカードのリボ払い(元金定額返済方式)の場合
返済回数 | 返済元金 | 支払利息 | 元利支払計 | 返済後残高 |
第1回目 | 10,000 | 2,500 | 12,500 | 190,000 |
第2回目 | 10,000 | 2,375 | 12,375 | 180,000 |
第3回目 | 10,000 | 2,250 | 12,250 | 170,000 |
第4回目 | 10,000 | 2,125 | 12,125 | 160,000 |
第5回目 | 10,000 | 2,000 | 12,000 | 150,000 |
第6回目 | 10,000 | 1,875 | 11,875 | 140,000 |
第7回目 | 10,000 | 1,750 | 11,750 | 130,000 |
第8回目 | 10,000 | 1,625 | 11,625 | 120,000 |
第9回目 | 10,000 | 1,500 | 11,500 | 110,000 |
第10回目 | 10,000 | 1,375 | 11,375 | 100,000 |
第11回目 | 10,000 | 1,250 | 11,250 | 90,000 |
第12回目 | 10,000 | 1,125 | 11,125 | 80,000 |
第13回目 | 10,000 | 1,000 | 11,000 | 70,000 |
第14回目 | 10,000 | 875 | 10,875 | 60,000 |
第15回目 | 10,000 | 750 | 10,750 | 50,000 |
第16回目 | 10,000 | 625 | 10,625 | 40,000 |
第17回目 | 10,000 | 500 | 10,500 | 30,000 |
第18回目 | 10,000 | 375 | 10,375 | 20,000 |
第19回目 | 10,000 | 250 | 10,250 | 10,000 |
第20回目 | 10,000 | 125 | 10,125 | 0 |
計 | 26,250 |
ちなみに、「元金定額返済リボ払い」のように元金返済額の指定ができない
「残高スライドリボ」の場合の返済シミュレーションはこちらのようになります。
カードローン(残高スライド元利定額方式)の場合
返済回数 | 返済元金 | 支払利息 | 元利支払計 | 返済後残高 |
第1回目 | 7,500 | 2,500 | 10,000 | 192,500 |
第2回目 | 7,594 | 2,406 | 10,000 | 184,906 |
第3回目 | 7,689 | 2,311 | 10,000 | 177,217 |
第4回目 | 7,785 | 2,215 | 10,000 | 169,432 |
第5回目 | 7,883 | 2,117 | 10,000 | 161,549 |
第6回目 | 7,981 | 2,019 | 10,000 | 153,568 |
第7回目 | 8,081 | 1,919 | 10,000 | 145,487 |
第8回目 | 8,182 | 1,818 | 10,000 | 137,305 |
第9回目 | 8,284 | 1,716 | 10,000 | 129,021 |
第10回目 | 8,388 | 1,612 | 10,000 | 120,633 |
第11回目 | 8,493 | 1,507 | 10,000 | 112,140 |
第12回目 | 8,599 | 1,401 | 10,000 | 103,541 |
第13回目 | 8,706 | 1,294 | 10,000 | 94,835 |
第14回目 | 8,815 | 1,185 | 10,000 | 86,020 |
第15回目 | 8,925 | 1,075 | 10,000 | 77,095 |
第16回目 | 9,037 | 963 | 10,000 | 68,058 |
第17回目 | 9,150 | 850 | 10,000 | 58,908 |
第18回目 | 9,264 | 736 | 10,000 | 49,644 |
第19回目 | 9,380 | 620 | 10,000 | 40,264 |
第20回目 | 9,497 | 503 | 10,000 | 30,767 |
第21回目 | 9,616 | 384 | 10,000 | 21,151 |
第22回目 | 9,736 | 264 | 10,000 | 11,415 |
第23回目 | 9,858 | 142 | 10,000 | 1,557 |
第24回目 | 1,557 | 19 | 1,576 | 0 |
計 | 31,576 |
クレジットカードの元金定額方式のほうが、元金の減少が早いため返済回数は4回短く、利息負担額は5,000円以上節約できることになります。
このように、同じ金利でカードローンに借り換えを行っても、カードローンとクレジットカードのリボ払いでは返済方式が異なるという理由で、トータルの利息負担額(手数料負担額)が大きくなってしまうこともあります。
もし借り換えを考えるなら、より低金利のカードローンに借り換えることが大前提です。
※※※2