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老後資金が2000万円足りない?金融庁発表の年金不足「高齢社会における資産形成」から読み解く国の方針と個人の対策でやれること考える

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金融庁が発表した「高齢社会における資産形成」が波紋を呼んでいます。

「老後の生活費が2000万円不足する」「国が年金を払うことができないと認めた」という波紋です。

確かに「高齢社会における資産形成」は国からの「年金だけでは老後生活を維持するためのお金が足りない」という発表であることは間違いありませんが、具体的にいくら減額されるのかなどの記載はなく、むしろ、今後高齢化していく中で、早期から資産形成を求める警鐘であることが分かります。

金融庁が発表した「高齢社会における資産形成」にはどのような内容が記載されており、金融庁はどのような意図を持って年金不足を認めたのか、検証していきたいと思います。

目次

「公的年金だけでは生活できない?」金融庁が警鐘を鳴らす理由

「高齢社会における資産形成」に記載されていることは、簡単に言えば金融庁が「老後は年金だけでは生活費が足りなくなるから、資産形成をしておいてくださいね」いう内容です。

まずは、金融庁がこのような警鐘を鳴らしている背景はどのようなものなのか説明していきます。

高齢化

いうまでもなく、高齢化長寿化を我が国は迎えています。

1950年の日本人の平均寿命は60歳でしたが、2017年は男性81.1歳、女性87.3歳です。

さらに最近では「人生100年時代」と言われるように、さらに長寿化が進んでいくことが予想されます。

第2次ベビーブームが高齢者になる今から20年後には本当に平均寿命100歳と言われる時代が来るかもしれません。

年金は受給者が亡くなるまで給付が続く制度ですので、長寿化が進んでいけば年金給付の総額が大きくなり、年金財政はますます厳しくなっていくことが予想されます。

健康寿命終了後も人生は長い

今は、定年退職後も働いて所得を得ている高齢者も多数存在します。

しかし、2016年の健康寿命は男性で約72歳、女性で約75歳ですので、男女ともに、働けなくなってから10年近くは人生が続いていくことになります。

健康寿命が終了すれば、年金しか収入が無くなることに加え、医療費や介護費も増大します。

これも「老後にかかるお金が多くなる」とされている原因の1つです。

単身世帯の増加

かつては、2世代・3世代で暮らしている家庭が多かった日本ですが、今は高齢者の単身世帯が増加しています。

2017年の65歳以上の世帯構造のうち、単身世帯が26.4%、夫婦2人の世帯が32.5%と若い人と暮らしていない世帯が6割近くを占めています。

年金制度が始まった当初の「親の面倒は子供が見る」という前提が崩れており、高齢者が生活のためにこれまでよりもお金が必要になっているのです。

フリーランスの増加

あまり関係がないと思われがちですが、昨今の働き方の多様化によってフリーランスが増加していることも、金融庁が「高齢期に向けて資産形成が必要」と述べる根拠になっています。

2015年に約900万人だったフリーランスは2018年には1,100万人超へと実に200万人程度増加しており、今後も増える見込みです。

退職金というのは、継続して勤務した年数に比例して支給されるものですので、会社を退職してフリーランスになったり、転職を繰り返す働き方がさらに増えていけば、定年時に受け取ることができる退職金が少なくなることが予想されます。

一昔前であればほとんどのサラリーマンが当たり前のように当てにしていた退職金が入ってこないということも踏まえて、老後の資産づくりを現役期から行う必要があるのです。

退職金の減少

現在は退職金そのものも減少しています。

2017年の退職金給付額は平均で1,700万円~2,000万程度となっており、ピーク時の1995年から約3~4割程度減少している実態があります。

終身雇用をしても、以前よりももらえる退職金が少ないということも老後に向けての資産形成が重要になる理由の1つです。

 

月5万円足りない?さらに今後は不足が増えていく

厚生労働省の発表によると、夫65歳以上、妻60歳以上の無職の夫婦世帯では毎月の支出は約26万3千円としています。

社会保険などの実収入が約21万円、つまり、差額の5万円が足りなくなるとしています。

毎月の生活費の不足額として約5万円が発生する場合、亡くなるまでに20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になるとしています。

しかし、この金額はあくまでも今の自宅でそのまま生涯を終えた場合で、その他の付随費用などは含まれていません。

例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用などの費用は含まれていませんので、最低限で1,300万円〜2,000万円の貯蓄の切り崩しが必要で、ライフプランによってはさらなるお金が必要になるのです。

さらに、これは現状の社会保険(年金)給付額の数字で「毎月5万円足りない」としており、金融庁の「高齢社会における資産形成」では、「今後年金は減少する」としていますので、現在の役21万円の収入はさらに下がっていくことが予想されるのです。

 

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金融庁の示す対策

金融庁は老後毎月5万生活費が不足することに対して、個々人が対策をとるように促しています。

対策は現役時、退職時、高齢期に分かれていますが、まずは意識の面から以下のような認識を持つことを求めています。

現在の年金給付水準が継続することは難しいと認識する

この点が、今回の発表で最も世の中を騒がした点ですが、「高齢社会における資産形成」には「少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい。今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」との記載があります。

これまで国が「年金が減少する可能性がある」と公式に発表することはなかったため、大きな波紋を呼んでいるのです。

詳しくは後述しますが、国はこれまで「年金は今後も安定的に給付される」と主張し続けてきたのです。

金融庁の「高齢社会の資産形成」によると、現在の年金給付水準が今後も継続することは難しいということをまずはしっかりと認識することが大切としています。

長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要

長寿化によって、自分が現在想定している以上に長生きになる可能性があります。

これを踏まえ、資産が枯渇しないように、自分の就労状況などを勘案し、投資・貯蓄・運用行なっていくことが重要です。

「自分が平均寿命まで生きない」と考えても、思ったより長生きして(もしくは平均寿命が現在よりも大きく伸びて)、資産が枯渇してしまうリスクを常に認識しておきましょう。

自分のライフプランを把握する

上記のようなリスクを踏まえ、自分のライフプランをしっかりと把握しておくことが大切です。

今後転職する見込みがあるのか、子供の学費にいくらくらいを想定し、退職金はいくらなのか、老後は老人ホーム等に入居する予定はあるのかなどをしっかりと把握し、必要になる資金に見合った資産形成を行いましょう。

健康寿命が自分にも続くとは限らない

健康寿命がいつまで続くかはわからないという認識も持つことも重要です。

公的年金の不足分を働いて稼いでいる人は、健康でなければ収入が断たれてしまいますし、認知症や病気などになってしまった場合には想定していた以上の費用がかかってしまいます。

自分がいつまで健康でいることができるか分からないという想定のもとに余裕のある資産形成を行なっておくことが必要です。

 

現役の間にとるべき対策

老後生活を不安なく行うためには、現役時代から意識面と実質面でしっかりと準備を行うことが大切であるとしています。

老後生活のために現役時代からできることとしては以下のようなことが挙げられています。

これまでよりも長生きになることを認識する

「人生100年時代」と言われるように、現役世代が老後を迎える頃には、さらに今の平均寿命よりも日本人が長生きになっている可能性があります。

これまでよりも人間が長生きになることを想定し、老後困らないように現役時代から準備をするという意識をまずはしっかりと持つことが大切です。

自分にふさわしいライフプラン・マネープランを策定する

必要に応じプロのアドバイザーを活用し、自分にふさわしいライフプランを策定し、それに伴うマネープランも策定するようにしましょう。

いつ結婚し、子供は何人で、住宅はいつ購入し、退職金はどの程度を見込んでおり、老後必要になる資金はいくらなのか、ということをできる限り早い段階から認識し、それに伴う準備をしておくことが重要です。

いざという時の資金には預貯金、将来にわたっては投資を行う

貯蓄と投資を使い分けて準備をすることも大切としています。

いざという時に必要なお金には、いつ引き出しても元本が保証されている貯蓄を行い、将来に向けては分散・積み立てによる投資を行うことも「高齢社会における資産形成」では示されています。

ライフプラン・マネープランに基づき、適正な割合と金額で貯蓄と投資を行いましょう。

また、金融サービス業者を選定するに当たっては、長期にわたって取引ができる業者で、顧客の利益を重視している業者を選ぶことも示されています。

 

退職後にとるべき対策

現役を引退した後のリタイア期以後の人生も長期化しています。

そこで、退職時には金融資産の目減りの抑制や、計画的な取り崩し、退職金の運用などの行動を起こす時期としています。

退職期にとるべき行動として金融庁は以下のようなものを示しています。

退職金がある場合ライフプラン・マネープランを再検討する。

退職金がある場合には、退職金を運用するのか、取り崩すのかなどといったマネープランを自分のライフプランと合わせてここで再検討する時期になります。

また、どのようは配分で分散投資を行うのかということの検討も重要です。

大きなお金が入ったからと言って無計画に使うのではなく、今後の人生に向けて、いくら取り崩すのか、運用するのか、ということをもう一度検討し直しましょう。

収支を改善する

退職後は現役期とはライフスタイルが変わるので、支出を減らすことができます。

また、それと同時に現役期よりも収入も減少します。

つまり、収支を見直し、できる限り生活費の赤字による資産の取り崩しを抑制する必要があるのです。

中長期的な資産運用の継続とその後の計画的な取崩しを実行

今後の長い人生を見据え、運用は継続した方がよいでしょう。

また、取り崩す必要があるのであれば、人生100年時代を見据え、計画的に取り崩しを行なっていく必要があります。

無計画に取り崩してしまうと、高齢期になった時に「生活費が足りない」という事態に陥ってしまう可能性もあるので十分に注意しましょう。

計画性が重要です。

 

高齢期にとるべき対策

この高齢期に資産の取り崩しが本格的に始まります。

高齢期にももう1度ライフプランの見直しなどの行動をとることが重要になります。

医療費や老人ホーム入居などを見据えてライフプラン・マネープランを再検討

高齢化に伴い、心身共に弱っていくことを考え、ここでもう1度ライフプランとマネープランを見直す必要があります。

高齢期にはこれまでよりも医療費がかかるものですし、老人ホームに入居する場合には多額の資産の取り崩しが必要になります。

このような計画をプロや後見人も交えて再検討を行い、再検討した通りに資産の取り崩しを行なっていくことが重要なのです。

 

金融庁が言いたいこと

金融庁がこのような発表をしたことによって、大きな反響があり、その大半は「政府が年金を溶かした」「人生100年時代になったら国は面倒見きれないと見放した」などのネガティブな評価です。

しかし、筆者は今後の高齢化社会にあって、金融庁は国として警告すべき当たり前の現実を国民に正直に突きつけただけのように思えます。

金融庁は結局「高齢社会における資産形成」の中で何を言いたいのでしょうか?

年金は今後減少が見込まれる

前述したように、年金は今後減少が見込まれます。

これは多くの若者がそう思っていることと同じことを当たり前に述べているにすぎません。

しかも、金融庁は「いつから」「どのくらい」の減少が見込まれるのかという具体的な数字は示していません。

考えてみれば、年金制度がスタートした時の日本人の平均寿命は60代半ば、当時は余命の何年間かは年金でゆっくり過ごしてもらおうという程度の制度だったものが、日本人が長寿化し、人生の3分の1を年金で過ごす時代になり、その上、少子化によって支える側の人口が不足しています。

これでは年金財政が厳しくなるのは当たり前です。

金融庁はごく一般論として、後述する「年金100年安心プラン」という前提に立っていることによって厚生労働省などが言えないことを述べたのみです。

高齢化・長寿化・働き方の変化によって老後に必要な資金は増えていく

年金が減少していくことに加えて、高齢化によって老後必要な資金はこれまでよりも増えていきます。

例えば、平均寿命が70歳であれば、毎月5万円足りないとしても60歳からの10年間で600万円だけの資産があればよいことになります。

しかし、平均寿命が延びれば、必要になる資金は延びた年数分だけは増えてしまいます。

10年で600万円なら、20年で1,200万円、40年で2,400万円です。

また、前述したように、退職金のないフリーランスの増加や、退職金そのものの減少などによって、退職期になって入ってくる予定のお金が入ってこないということも、金融庁が警鐘を鳴らす原因でしょう。

将来を見据え、若いうちから資産形成を行うことが必要

結局、金融庁が一番言いたいことはここだと思います。

「老後は年金や退職金だけでは資金が足りないから、若いうちからしっかりと資産形成をしておきなさい」ということです。

このために、金融業者の選び方なども「高齢社会における資産形成」では紹介していますので、若いうちから現状をしっかりと認識し、貯蓄と投資によって準備をしておくことを最も強く求めているのです。

厚生労働省の「年金100年安心プラン」に対するアンチテーゼか

現在の年金政策というものは2004年に政府が発表した「年金100年安心プラン」というものを前提として出来上がっています。

年金100年安心プランとは「今後100年間、現役時代の収入に対する年金額の割合(=所得代替率)を、最低50%保証するから国民の皆様は安心してくださいね」というものです。

また、この根拠になっているのは年金積立金の運用益ですが、2009年の財政検証時には4.1%の運用利回りで運用されている前提となっています。

これだけの低金利の中、4.1%もの高利回りでの運用など不可能に近いので、以前から「年金100年安心プランはおかしい」「年金積立金は100年どころか30年で枯渇する」と言われていましたが、いまだに政府は「年金100年安心プラン」を前提として年金政策を実行しています。

所得代替率50%が本当に今後100年維持することができるのであれば、今回の「高齢社会における資産形成」で警鐘を鳴らす必要などありませんし、「年金は今後減少する」という文言などあるはずがありません。

つまり、金融庁の今回の発表は「王様は裸だ」と言っているだけにすぎないと思います。

堂々と「年金100年プランは間違いだった」と認める代わりに、年金を司る厚生労働省ではなく、金融庁が「今後は自助による資産形成で老後に備えなさない」と言っているのだと思います。

金融庁が以前から進めている個人投資の推奨を後押ししている内容

そもそも金融庁は以前から、貯蓄と投資をバランス良く行うように勧奨していましたし、NISAやiDeCoなどもその一環です。

「高齢社会における資産形成」では「年金が減少し、老後は年金だけではお金が足りなくなる」という前提のもと、以前から金融庁が押している個人による投資をより必要性を強調して後押ししているのではないでしょうか?

日本人が欧米に比べて投資に対して消極的な中、「投資を行うことは、個々人の老後のためにも必要なのだ」と言っているように感じますし、筆者も実際にその通りだと思います。

人生100年時代における資産形成

まとめ

金融庁の「高齢社会における資産形成」は国が「年金は減少する」「月5万円不足する」などという発表を行なったことから大きな話題を呼んでいますが、考えてみれば金融庁は当たり前のことを述べているにすぎません。

そもそも現代の若者の多くは年金がもらえるとは思っていません。

厚生労働省のホームページによると、平成31年3月の1年経過納付率は71.4%ですので、実に3割の人が年金を払っていないのです。

むしろ、これまで「年金はもらえるから大丈夫」としてきた「年金100年安心プラン」の方が問題で、多くの国民が「年金100年安心プラン」とは反対に年金はもらえないと考え、そして金融庁が今回「年金は減少するから自分で老後に備えるように」と警鐘を鳴らしたにすぎません。

日本人が長寿になり、高齢者が元気なことは喜ばしいですが、国が長生きするお年寄りの面倒を全て見ることができなくなりつつあります。

今後はさらに長寿化・国全体での高齢化が進み、ますます年金財政は厳しくなります。

「人生100年時代」になった時に自分が困らないように、現役時代から老後を見据え、貯蓄と資産運用を行なっておくということが大切になります。

投資に関する知識がない人も、最近はAIによる投資信託も普及していますし、NISAなどによって税制面も優遇されているのでまずは少ない金額からでも投資をスタートしてみてはいかがでしょう?

「最後は国がなんとかしてくれる」という公助の時代から、「自分の老後のことは自分で考え、自分で備える」という自助の時代へと変わりつつあります。

※ファイナンシャルプランナーや金融機関に勤務経験のある方など専門的な知識・知見を持っている人に一部記事の執筆・監修をお願いしておりますが、当サイト内の最終的な文責は運営者にあります。

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