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医療保険は必要か?医療保険不要論の理由と本当にいらないのか?貯蓄貯金いくらあればをFPが本音で語る

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生命保険についてある程度の知識をもつ方なら、「医療保険は必要ではない、医療保険不要論」という考え方があることをご存知ではないでしょうか。

この点についてはプロの間でも議論がなされていますが、誰もが納得できるような答えが出ていないというのが実情です。保険屋さんは言うまでもなく必要と言いファイナンシャルプランナーや保険に詳しい一般の人は不要と言うことが多いようです。

そこで、今回はこの「医療保険不要論」について筆者の見解を整理して解説します。

医療保険は必要?医療保険はいらないと言われる理由

医療保険は不要であると主張する人はたくさんいますが、その急先鋒とも言えるのが、ファイナンシャルプランナーとして活躍する内藤真弓氏です。

内藤氏は2009年に『「一生安心にだまされるな!」 医療保険は今すぐやめなさい』という本を執筆しています。この本は2013年の時点で累計9万部を超えるロングセラーになっていることからも、この考え方を支持する人が一定数いることがうかがえます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00GRHFT4M/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

内藤氏も含め、医療保険はいらないと主張する人が理由として挙げるのは以下のような点です。

高額療養費制度があること

医療保険はいらないと主張する人たちが必ず挙げるのが、公的医療保険(以下、健康保険と表記します)の高額療養費制度の存在です。

高額療養費制度を利用すると、入院して高額な医療費が発生しても自己負担はかなり抑えられます。そのため、わざわざ医療保険に加入しなくても貯蓄で払えるから大丈夫ということです。

入院期間が短期化していること

日本は医療費の不足が深刻なので、厚生労働省は入院期間が短くなるような政策を行っています。

厚生労働省が公表している「平成29年(2017)患者調査の概況」によると、平成29年9月における退院患者の平均在院日数(病院・一般診療所計)は30.6日となっています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/03.pdf

一般病床だけで見れば71.9%の人が14日以内に退院しているので、思ったほど長くないと感じる人も多いのではないでしょうか。

入院期間が短ければ医療費もそれほどかからないので、医療保険に加入してまで備える必要はないということです。

傷病手当金があること

会社員や公務員であれば、病気やケガが原因で働くことができない期間が4日以上続くと、1日につき給料のおよそ3分の2に相当する傷病手当金を最長で1年6カ月間、受け取ることができます。

そのため、仮に長期入院をしても医療保険に頼る必要はないということです。

医療保険は元が取れないこと

掛け捨ての医療保険は元が取れないからという理由で加入すべきでないと主張する人もいます。

たとえば保険料が月3,000円の医療保険に50年間、加入したとします。
支払う保険料の総額は3,000円×12カ月×50年=180万円です。

入院は生涯でそう何度もするものではないので、受け取れる給付金の総額が保険料を超えることはあまりないでしょう。だから、医療保険に加入しても損なので加入する必要はないという主張です。

ただ、この理由は論外なので考慮する必要はありません。

掛け捨ての保険は加入者から集めた保険料を不幸なことがあった人に回す仕組みです。そのため、支払った保険料より多くの保険金を全員が受け取ることはあり得ないので、そもそも同じ土俵に上げて比較することが間違っているのです。

 

短期入院は医療保険で備えなくても少し貯金があれば大丈夫

一口に入院といっても、盲腸(急性虫垂炎)や腸閉塞のようなよくある病気で短期入院(1~2週間程度)する場合と、脳卒中のような病気で長期入院(3カ月~半年程度)する場合は区別して考えなければなりません。なぜなら両者は経済的な負担がまったく違うからです。

盲腸や腸閉塞は、脳卒中のような病気と比べれば相対的に軽い病気であり、入院して適切な治療を受ければ必ず治ると言っても差し支えないでしょう。

こうした病気は一生のうちで数えるほどしかかからないでしょうし、費用がいくらぐらいになるかが分かれば貯蓄でも対応できることに納得できるかと思います。

盲腸や腸閉塞で入院すると、病院では50万円前後の医療費(診療報酬点数によって計算される金額)が発生します。

高額療養費制度が利用できなければこのうち3割を負担することになりますが、利用できる場合はもう少し自己負担が少なくなります。

高額療養費制度を利用した場合の自己負担額は年齢と所得によって決まり、69歳以下なら以下の計算式で求めます。

適用区分 1ヶ月の上限額(世帯ごと)
年収 約1,160万円~ 25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
年収 約770万円~1,160万円 16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%
年収 約370万円~約770万円 8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%
年収 ~約370万円 5万7,600円
住民税非課税者 3万5,400円

50万円の医療費が発生した場合、各区分についての自己負担額は以下のようになります。

ア:50万円×3割=15万円
イ:50万円×3割=15万円
ウ:8万100円+(50万円-26万7000円)×1%=8万2430円
エ:5万7600円
オ:3万5400円

区分「ア」と「イ」の人は、計算式にあるカッコ内の部分がマイナスになるので高額療養費制度は使えません。したがって、3割の15万円を負担することになります。

高額療養費制度を利用する場合は原則として窓口で50万円×3割=15万円を支払い、上記の金額との差額をあとで返してもらうことになります。この差額が「高額療養費」であり、例とした医療費の金額50万円のことではありません。

患者が最終的に負担する金額はこれに加え、食費(1食460円×3回=1380円)やコインランドリー代などの諸雑費、差額ベッド代の合計となります。

仮に差額ベッド代が1日5000円、食費と諸雑費が1日2000円(合計7000円)とすると、仮に14日間の入院をした場合、最終的な負担額は以下のようになります。

ア:15万円+7000円×14日=24万8000円
イ:15万円+7000円×14日=24万8000円
ウ:8万2430円+7000円×14日=18万0430円
エ:5万7600円+7000円×14日=15万5600円
オ:3万5400円+7000円×14日=13万3400円

差額ベッド代は、基本的に自分の意思で差額ベッド代のかかる部屋を利用しなければ発生しません。そのため、所得区分によって違いはありますが、1回の入院で10~30万円もあれば足りるでしょう。

このくらいの費用がかかる入院が生涯で何度かある程度なら、若くて働き始めたばかりでもない限りは貯蓄でまかなうことが可能ですよね。だから、医療保険は不要だと言われるわけです。

しかし、長期入院になった場合は話が少し違ってきます。

※差額ベット代
6人床が無料のケースで
2人床:3,240円/日
個室:1万円
4人床:2,000円

他にかかるもの例:ご飯代:600円/1食 タオル代200円/1日

 

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長期入院は貯蓄いくらかあるか次第で医療保険が必要不要に分かれる

世間の人は「長期入院」という言葉にあまりピンと来ないのではないでしょうか。

医療保険不要論を主張する人なら、先述した厚生労働省による平均在院日数のデータは見ているはずです。その中には入院期間が長い病気のデータもあるのですが、なぜかそれらを無視して議論を組み立てています

いろいろと調べると分かるのですが、勤労世代のうちに実際に起こる可能性のある長期入院の例としては以下のようなものが挙げられます。

・精神疾患(うつ病や統合失調症)で2~3カ月、入院するケース
・脳卒中で後遺症が残り、リハビリで90~180日程度の入院をするケース
・急性白血病で半年~1年程度、入退院を繰り返すケース
・その他(たとえば重症急性膵炎という病気は半年ほど入院が必要です)

以上のほかにも、一般の人が知らないところでひっそりと長期入院している人や、入退院を繰り返している人がいると考えられます。

備えを考えるときは、「平均」を基準にするのは間違いです。医療保険不要論を主張する人はこの点が理解できていません

仮に入院が5カ月続くと、おおまかに言って、短期入院のときの医療費の4~5倍くらいがかかる計算になります。

また、入院期間が長くなればなるほど収入の減少を無視できなくなります。傷病手当金があると言っても、月に10万円のマイナスが5カ月続けば50万円です。賞与は補填されないのでその分も考慮する必要がありますし、自営業者は全く補填されません。

そんなときでももし、医療保険に加入していて十分な給付金を受け取れれば、治療費を支払ったうえで収入の減少分もある程度、補うことが可能です。

ただ、加入の仕方によっては医療保険があまり役立ちません。

以下の2つの加入パターンを比べてみてください。ちなみに(A)のような加入の仕方をしている人が多いはずです。

・入院給付金日額5000円、1入院あたりの入院給付金の支払限度日数60日(A)
・入院給付金日額1万円、1入院あたりの入院給付金の支払限度日数180日(B)

一家の大黒柱がある日突然、脳卒中で倒れて150日間入院したと想像してみてください。このとき、受け取れる給付金はそれぞれ以下のようになります。

(A):5000円×60日=30万円
(B):1万円×150日=150万円

(A)の場合は150日の入院をしても、1回の入院で60日分が上限なのでわずか30万円しかもらえません。これでは医療費すらまかなえないでしょう。

しかし、Bなら150万円を受け取れるので、治療費を払ってもお釣りがくる可能性が高いです。そのため、収入が減った分を補填することもできます。

このようなとき、加入している保険会社から給付金として150万円を受け取れたら「保険に入っていて良かった」と思うのではないでしょうか? 逆に30万円だったら、「たったこれっぽちか」と思うはずです。

こうした長期入院をする確率はとても低いですが、保険は「万が一」に備えるものなので、まさかと思うような病気をしたときに役立たなければ保険としての価値が低いのです。

このようなケースもしっかりカバーしつつ、短期入院のときの費用にも備えられるようにするというのが正しい医療保険の使い方です。

医療保険は加入の仕方で保険としての価値が大きく変わる

つまり、医療保険のポテンシャルは1回の入院で最大いくらもらえるか(入院給付金日額×支払限度日数)で決まるわけです。その金額がいざというときに必要と感じるなら医療保険に加入する意味はあります

例として挙げた150万円くらいのお金がすぐに支払えるだけの貯蓄があるなら医療保険は不要です。しかし、そうでない人もたくさんいるのではないでしょうか。

今は、三大疾病など特定の病気の場合に限って入院給付金の支払限度日数を延長する特約を用意している商品が多いので、仮に60日型であってもこの特約を付加しておけばたいていは大丈夫です。

最も安心なのは、どんな病気でも対応できるように1入院あたりの支払限度日数を長くしておく方法です。1つの現実的な目安として、180日型以上のものを選ぶのがおすすめです。

がんに備えるのはがん保険がベスト

以上の話は基本的にがん以外の病気を前提にして話を進めてきました。

がんについては治療費のかかり方がそれ以外の病気と違うので、保険で備えるなら医療保険よりもがん保険が向いています(医療保険に付加できるがん関連の特約はがん保険と考えてください)。

がんといえども早期に発見できれば健康保険の使える治療で完治することも多いので、がん以外の病気とそれほど治療費が変わらないことも珍しくありません。

ただ、がんは入院期間が短いケースが多く、通院のみで治療するケースも増えているので、基本的に入院日数に比例して給付金が支払われる医療保険はがんの備えとしてあまり向いていません。がんに備えるなら、がんと診断確定されただけでまとまった一時金がもらえる保険に加入するのが基本です。

また、若いうちに末期がんと診断されて健康保険の使える治療法がなくなってしまうようなケースも考慮してほしいところです。これが確率的にも本当の意味で「万が一」です。

若いうちに健康保険が使える治療法がなくなってしまった場合、多くの人は自由診療が利用できないかと考えます。しかし、自由診療は全額が自己負担なのでかなりの高額になります。

エビデンスのない怪しげな民間療法はともかく、海外では一定の治療効果が出ているのに日本では保険適応となっていない治療法であれば、試してみたいと考えるでしょう。

しかし、主に生命保険会社や共済が販売するがん保険の場合、がんと診断確定されたら100万円、入院したら1日につき1万円を支払うなどの定額給付なので、高額な医療費がかかるケースでは対応できないことがあります。

こうしたケースに備えるためには、一部の損害保険会社が販売する実損填補型のがん保険が役立ちます。具体例を挙げるとSBI損保のがん保険とセコム損保のメディコムです。
https://www.sbisonpo.co.jp/gan/
https://www.medcom.jp/

これらの商品なら1,000万円を上限として、自由診療も含めて実際にかかった医療費を補償してくれるので、本当にいざというときの選択肢を最も広くとることができます。

先進医療特約がほしいという理由で医療保険に加入するのはどう?

先進医療特約とは、先進医療として指定されている治療や検査を受けた場合、その固有の費用(技術料と言います)を保険金として受け取ることができる特約です。

先進医療の中には重粒子線治療や陽子線治療といった300万円近い費用がかかる治療法もあり、技術料がそのうちかなりの割合を占めます。この費用は健康保険が適用されませんので、保険金として受け取れるならありがたいと考えている人が多いようです。

また、言葉の響きから「先進医療=最先端医療=その時点で最も治療効果の高い治療法」というイメージを抱いている人が多いのではないかと推測されます。

しかし、先進医療とは厚生労働省が保険収載するかどうかを検討している段階の医療技術であり、エビデンスが十分に集まっていないものなのです。そのため、健康保険が使える治療ほどはっきりとした効果が期待できません。

先進医療特約の価値は、治療が難しい病気にかかったときに選択肢を広げることができる点です。月に100円程度の保険料で加入できるので、お守り代わりという意味で勧める保険屋さんも多いようです。

ただ、先進医療特約がほしいという理由だけで医療保険に加入するというのはコストパフォーマンスの観点から考えると微妙です。

先進医療の保障を中心とした「リンククロス コインズ」のような単体の商品もあるのですが(月額保険料500円)、こちらもやや割高な印象があります。
https://linkx.life/lp/coins/pc/1.html

 

自営業者やフリーランスは医療保険をどう考えるべきか

医療費に備える方法については自営業者やフリーランスであっても、サラリーマンと基本的に同じです。

ただし、自営業者やフリーランスには傷病手当金がありません。そのため、仕事を休めば収入の減少分についての補償を得ることができないので、入院期間が長くなればなるほど経済的なダメージは大きくなります。

このような点に備えるためには「所得補償保険」に加入するのがおすすめです。

所得補償保険は、働くことができない状態(=就業不能状態。入院または在宅療養)となったときに保険金を受け取れるという保険です。また、生命保険会社が販売する「就業不能保険」も同じような保険です。

ただ、就業不能保険は就業不能状態になってから最低でも半年以上、保険金が支払われない期間があります。しかし、所得補償保険なら最短で7日を超えれば保険金が支払われる商品があります。

その代わり、所得補償保険は保険金を受け取れる期間が短くなっています(と言っても1~2年くらいはあります)。以下に一例を挙げておきますので、参考にしてください。

参考:所得補償保険|損保ジャパン日本興亜株式会社
https://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/kinsurance/medical/income/income1804.pdf

もっと詳しく▶ 病気や怪我で働けない自営業の収入確保方法⇒ 就業不能保険と所得補償保険の比較

 

老後の医療費も見据えて医療保険は必要?不要?

医療保険に加入すべきでないという理由の1つとして、内藤氏は高齢になってから給付金をもらえないケースが多いという点も指摘しています。

医療保険は「治療のための入院」でないと対象にならないので、いわゆる社会的入院(行き場のない高齢者を預かるような性質の入院)や、認知症など治療効果が期待できない状態での入院については給付金を支払ってもらえない可能性があります。そのため、内藤氏のこの指摘は間違いではないでしょう。

今はテレビCMの影響もあってか終身医療保険に加入するのがトレンドにもなっていますが、高齢になってからは医療でお金がかかるか介護でお金がかかるかがわかりません。

そのため、そのどちらになってもいいように、老後の医療費については貯蓄で備えるほうが合理的ではないかと筆者は考えます。

現役で働いている内は万が一が気になるのは確かですが、そこばかり追いすぎても保険料の支払いで生活が苦しくなるという本末転倒になります。

長期入院とがん対策をどこまでカバーするかを、ご自身の家族構成(未婚既婚・子供の有無)や生活の方向性とすり合わせて、医療保険に加入するかどうかは保険屋さんに振り回されるのではなく最終的にはご自身で判断することが大切だと思います。

※ファイナンシャルプランナーや金融機関に勤務経験のある方など専門的な知識・知見を持っている人に一部記事の執筆・監修をお願いしておりますが、当サイト内の最終的な文責は運営者にあります。

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