借金苦と返済相談・債務整理

債務整理の最前線

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02-01 債務整理に至るまで

債務整理をする人の誰もが積極的ではありません。多くの人は返済しようにも上手くいかず、債務整理する以外に方法がありません。
年間の債務整理件数は一時期のピークに比べると減少傾向にありますが、ここ最近の10年間で累計200万件にも達しています。お金の相談というものは人に相談し難いものですし、知られたくないと思うのが一般的でしょう。当初は貯金で補っていた不足分ですが、その貯金も底をついたとなると、キャッシングやスピード審査を売りにする消費者金融などからの借入に頼らざるを得なくなってしまいます。そもそも足りない生活費の中から毎月の返済金を確保するのは難しく、返済の為の借金をすることになります。これが、借金が増えて苦労する人に共通する典型的なパターンであり、長引く不況の煽りを受ける昨今では、誰もがこうなる可能性を抱えて日々生活しています。
返済しようとすると生活費に困窮し、もう借金は止めようと思っても返済額を用意する手立てがないとなると、精神的にも不安定になります。仕事も手につかなくなって、常に取立てを恐れて生活するようになります。
債務整理には多くの誤解があり、ネガティブな印象を持っている人も少なくありません。しかし、自殺や強盗などの重大な結果を招く前に専門家に相談する勇気を持つことが必要です。自己破産だけが債務整理の方法ではありませんし、債務整理後も普通の生活を続けることも可能です。債務整理をマイナスイメージだけで捉えないようにして下さい。

02-02 債務整理に関するウワサ

債務整理をすることによって人生をリスタートできる可能性があるのに、その一歩を踏み出すことが出来ない人は少なくありません。その背景には債務整理に関するデマや誤解があることが大半です。
「戸籍や住民票への記載がある」「会社を解雇される」「年金の支給が無くなる」「今後ローンやクレジットカードを利用することはできない」「選挙権が無くなってしまう」など思わず納得してしまいそうですが、これらは全て誤った情報です。
「二度と海外旅行が出来ない」「何の落ち度も無い家族までブラックになっては困る」「就職で不利になる」なども全くの誤解ですが、いくら専門家が否定しても頑なに信じて込んでいる人もいます。「車の免許証に記載される」「銀行の利用が出来なくなるから貯金もできない」などは、冷静に考えれば有り得ない話です。
「連帯保証人に迷惑を掛けてしまう」「マイホームを手放さなければならない」「ブラック情報があると仕事上の都合が悪い」「車がなくなると日常生活に困る」など理解できる理由で債務整理を拒む人がいる一方で、「遺言がある」「カードのポイントが勿体ない」「ストレス解消のショッピングができなくなる」などワケの分からない理由で債務整理を拒む人もいるようです。
本当にしなければならないのは借金生活の解決であり、債務整理はその為の手段の一つです。根も葉も無いウワサを信じ込んで本来の目的を見失ってしまっては解決できるものもできなくなり、取り返しのつかない重大な結果を招くことになるので注意しましょう。

02-03 借金苦と個人信用情報

個人の信用情報というと、見る機会が少ないために「何が記録されているのか」「間違った情報が記録されていないか」など心配になる人もいます。そもそも個人信用情報とは何のためにあって、どんなことが記載されているのでしょうか。
キャッシングや各種ローンの申込をした際に、金融機関は申込者に充分な返済能力がある人かどうかを確認しなければなりません。そのために利用するのが個人信用情報であり、過去と現在のクレジットやローンに関する情報や収入状況、連絡先に勤務先、勤務形態、勤続年数など金融機関による過剰貸付の防止や返済不履行などの事故防止の役目を担っています。
調査目的で使用する金融機関のほかは、本人以外には信用情報を見ることが認められていません。たとえ本人であっても、それを証明できる運転免許証や健康保険証、パスポートなどが無ければ開示請求することはできません。開示請求は、信用情報機関に直接出向いて行うほかに、郵送で請求することも可能です。
因みにブラックリストとは俗称であり、実際に黒い表紙の特別なリストがあるのではありません。返済の遅滞や債務整理などの「事故情報」が記録された人のデータには黒く埋められた部分があり、そこからブラックリストの通称が出てきたといわれていますが、実際のところは定かではありません。
ブラックリストにも多くの誤解があり、一度の返済遅延でさえも許されないと思っている人も少なくありません。金融面での信用はやや落ちますが、社会的な信用まで無くなるものでもないのです。

02-04 借金苦と総量規制

総量規制とは、年収の1/3を超える借入を禁止する措置であり、改正貸金業法の施行と共に導入された仕組みです。多重債務による事件や事故を防止するのが目的ですが、これまで借金返済のための借金を繰り返してきた「まわし」の人々や既に限度額まで借りてしまっている人にとっては急な出費に対応できないというデメリットがあります。
借りすぎによる多重債務や自己破産の削減を目指して導入された総量規制ですが、その一方で借りたいのに借りられずに困っている人を増やす原因ともなってしまいました。そこに目を付けた貸金業者がおり、彼らは「他店で断られてしまった人」や「ブラックな人」でも融資することが可能であると訴えています。
総量規制は債務者に対する規制ばかりが取り上げられていますが、貸付側の金融機関にも多くの規制があり、違反した際の罰則も厳しく変更されています。従来のやり方では経営が立ち行かなくなった業者も少なくなく、それでも貸金業を営むためには地下に潜る以外に方法はありません。
もう借りられないと諦めていたのに借りられる所があったと喜んでいてはダメです。他店で断られてしまったということは過剰な借入になる可能性があるからです。それを分かっていながら融資しようとするのは明らかな法律違反であり、正規の業者であるはずがありません。
どうしてもお金のやりくりに困る場合には、生活の再建をサポートする公的な機関を利用しましょう。低金利での貸付を行っており、民間でも同様の業務を行っている企業もあります。それでも尚も生活が苦しい場合には、債務整理を検討することも必要です。

02-05 借金にも時効がある

決められた期間内に債権者が債務の返済を求めずに放置した場合、放置された債権が消滅してしまうというのが借金の時効です。時効の成立後に借金の返済を求められても、法律上は応じる義務はありません。
銀行や消費者金融などの金融機関からの借入の場合は5年、個人からの借入の場合には10年が冒頭で述べた決められた期間ですが、その期間を過ぎれば自動的に時効が成立するほど簡単ではありません。時効を成立させるには時効の主張「時効の援用」をする必要があります。時効の援用方法としては、配達証明付きの内容証明郵便で債権者側に援用の通知を送るなどがあります。相手方の承諾を得る必要はありませんが、時効の援用を行わない限りは時効が成立することはありません。
一定の期間内に債権者が返済を求める行動を起こせば時効は「中断」されます。債務者に債権があることを認めさせるために、一部でも返済して欲しいと依頼することがあります。少しならばと応じてしまった途端、時効は中断されます。これは一定期間が過ぎた後でも有効な方法であり、1円でも支払った時点で債権の存在を認めたことになります。
裁判所に債権者が訴えた場合も時効は中断します。法的な拘束力の無い口頭や電話・ハガキ等による督促だけでは中断しませんが、裁判所から訴訟や督促の通知があった場合は中断されますし、内容証明郵便による督促でも時効は中断されます。また、給料の差し押さえなど債権者が具体的な行動に移ったときも時効の中断が認められます。

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