自己破産とは
テレビドラマなどで経営が躓いたり、会社が倒産したりリストラなどにより借金の返済が困ってしまい、破産宣告を受けるシーンを見かけることがあり、よくテレビドラマなどでは破産を強調して報じる傾向があるため、自己破産イコール最悪のイメージが強く根付いているのではないでしょうか。確かに、自己破産による生活への影響が全くないとは言えないため、ある程度の社会的な制約はうけるものの、自己破産を犯罪的なものに置き換えてしまうことがあるようです。自己破産は、カードローンなどの多用により自分の収入を超えて借入してしまったために返済が困難となってしまったり、勤め先の会社が倒産したり、リストラにより収入が断たれてしまい、カードローンなどの返済が困難となった場合において裁判所に自己破産の申し立てを自ら行うか、また、裁判所に債務整理による特定調停の申し立てを行ったものの、返済計画の見通しが立たず裁判所から自己破産の宣告を受けた場合において取られる措置となります。自己破産は、債務整理による特定調停と同様に裁判所において執行されるものとなりますので、全て法的な措置のもとに執り行われることになります。このため、裁判所からの指示や命令は、判決と同様な効力となりますので、必ず従う必要があります。また、特定調停においては債務者の資産は、債務者自身で売却の命令となりますが、自己破産の場合、生活に必要な最低限の資産を除いて全て裁判所により差し押さえとなってしまいます。
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カードローンで自己破産の方法
カードローンの使い過ぎにより返済が困難となった場合、返済が滞ることになりますので直ぐにカードローンの金融機関から返済の催促や督促の連絡を受けることになります。返済する口座の残高が不足しているだけであれば、直ぐに振込などで返済に対応することもできますが、会社の倒産やリストラにより収入が断たれてしまった場合は、簡単に返済することも困難となってしまいます。このような場合、直ぐに自己破産と考える人もありますが、収入の目途がある場合や再就職の可能性がある場合など、返済できる見込みがありますのでまずは裁判所に債務整理による特定調停の申し立てを行うことが重要となります。しかし、借金のことなど法律的に素人な人も多いため、まずは弁護士などに無料相談の機会を見計らって相談することをお勧めします。そこで、自己破産とするか特定調停または任意整理とするのがよいか意見を参考にするとよいでしょう。全く返済の見通しがなく、今後もカードローンの返済が困難となった場合は、管轄する地方裁判所に対して自己破産の申し立てを行うことになります。裁判所においては、債務者より自己破産の申し立てが行われると、特定調停と同様に専門の調停員が割り当てられることになり、聞き取り調査や書類調査が行われることになります。さらに、聞き取り調査や書類調査の後には土地や家屋などの不動産などの資産を調査するため、自宅に調停員が訪問して調査を行うことになります。
自己破産によるカードローン帳消し
自己破産の申し立てを裁判所に行い、調査の結果、自己破産の申し立てが受理されることになると、自己破産の処置が裁判所によって執行されることになります。裁判所により自己破産の措置が行われることになると、まず、債権者となるカードローンの金融機関に対して、債務者が自己破産となった旨の通達が行われます。これにより、債権者の金融機関は、カードローン利用者の債務者に対する取立てなど一切ができなくなってしまいます。そして、裁判所は、債務者の土地や家屋などの不動産や自動車などの資産の所有状況を把握したうえで、債務者名義となっている資産について差し押さえ措置を取ることになります。ここで、不動産など配偶者と共有名義となっている場合においても差し押さえとなりますが、配偶者や家族の者、第三者の名義となっている資産については差し押さえの対象にはなりません。ただ、家財道具など債務者と共有しているものについては全て差し押さえとなります。また、生活に最低限必要なものと障碍者や高齢者、乳幼児などの弱者が使用する家財については、差し押さえの対象にはなりません。裁判所は、債務者から差し押さえた資産を競売にかけて売却を行い、売却して得た金銭を債権者の貸し付け残高に応じて、裁判所が分配することになります。ただ、ここでカードローンの借入残金を全て返済できれば問題ありませんが、不動産が無い人などは負債が残ってしまいますので、カードローンなどの借金の帳消しをさらに行うことになります。
カードローンで自己資産のメリット
カードローンは、カードローンの契約を行うことで借入限度額までなら何度でもお金を借りることができるようになっていますので、簡単にお金を借りることができて大変便利なものとなっています。しかし、その反面、便利さが故にカードローン依存症となる人が多くなっています。以前、クレジットカードにおいてもクレジットカード依存の人が多発し、ショッピングやサービスをクレジット払いとして返済が困難となってしまうケースが多発したため、現在ではクレジットカードの利用限度額が30万や100万円と制限されるようになっています。同様にカードローンにおいても利用限度額が設定できるようになっていますが、銀行カードローンなどでは最高500万円まで設定できるほか、総量規制の対象とならないため最高限度額で契約する人が多くみられます。カードローンでの自己破産の場合、負債する額も少ない人よりは高額で返済不能となるケースが多く目立っており、自己破産となることが多くあります。自己破産の場合、カードローンの新規契約は8年間は出来なくなるだけでなく、クレジットカードや他のローンやキャッシングについても利用ができなくなってしまいますので、再びカードローンで自己破産となることは少なくなります。また、自己破産により社会的な制約は受けることは少なく、公的な職への転職ができなくなる程度で、家族には全く影響を及ぼすものではありません。また、自己破産したことが、会社などに知られることもありませんので、普通に会社勤めを続けることができます。
カードローンで自己破産のデメリット
自己破産により社会的な制約を受けることや家族への影響は原則ないとされていますが、現実的には生活上において影響が出る場合があります。自己破産となった場合、政府が刊行する官報に自己破産したことが実名で掲載されることになります。官報自体は一般の人が目にすることは少ないのですが、会社の経営者などは目にすることもあるため自己破産したことが知れてしまう可能性がゼロではありません。また、ある程度年齢が行っている人であれば、町会長などの公職の依頼があった場合、自己破産となった禁治産者は公職に就くことが失格となってしまうため、もし知らずに町会長を受けてしまうと後々面倒なことになってしまいます。家族への影響においても、配偶者や子どもの職や進学に対する制約を受けることはありませんが、家屋などの不動産を差し押さえられてしまった場合は、引っ越しを余儀なくされることになりますので、子どもにとっては転校することになってしまいます。また、生活に必要な家財は差し押さえにならないにしても、テレビなどの娯楽家財は差し押さえとなってしまいますので、結果的には家族にも我慢を要することになってしまいます。カードローンの場合は、無保証人のため保証人に対してカードローンの負債の返済を求められることはありませんが、自己破産する直前に家族や親類などに金融機関が返済を要請することがありますし、少なからず、自宅に取立てに押しかけてきますので、家族はもとより近所にも感づかれることになってしまいます。