カードローンの仕組み
カードローンは消費者金融や銀行などの金融機関が提供するローンの一種で、各金融機関が提供するローンの中でも審査にかかる時間が短く、申し込みから審査を経てお金の借り入れをするまで早いところでは即日で可能になっているところもあり、即日融資を実現しているローンです。
カードローンは住宅ローンやマイカーローン、学資ローンのようにあらかじめ使用用途が定められていないのが特徴で、銀行がもともと提供していないが高額な費用がかかる旅行や結婚費用などにも利用することが可能になっています。
また、住宅ローンやマイカーローン、学資ローンのように銀行が提供しているローンのほとんどがあらかじめ融資希望額を申し込み時に設定して審査に可決されると申し込み時に希望していた金額か審査時に金融機関に訂正された金額が1度に振り込まれるため、まとまったお金が最初に振込まれるのであとは完済に向けて毎月一定の金額を返済していくだけになりますが、カードローンに関してはあらかじめ利用可能金額が定められており、その利用範囲内でお金の借り入れや返済が可能になるので自由性が高いローンだと言えます。
お金の借り入れや返済方法も通常のキャッシュカードを利用する感覚で使用できることもカードローンの大きな特徴で、1度申し込んでカードを作ると誰でも簡単に利用することが可能になっているため、年齢問わずたくさんの人に利用されています。
金融機関側は貸出するお金に一定の金利を設けることによって収益を得ることを実現しています。
消費者金融が提供するカードローン
現在カードローンを提供しているのは銀行や消費者金融会社などの金融機関ですが、カードローンのはじまりは消費者金融が1960年代に提供を始めたローンで、長い歴史を経て現在に至っています。
21世紀後期に入ってくると、消費者金融業界にコンピュータシステムが導入されるようになり、無人契約機など人目を気にすることなくカードの発行が可能になり現在のようなカードローンの仕組みに少しずつ様変わりしてきました。
このような長い歴史の間で培ってきたノウハウを持っているのが消費者金融の大きな特徴で、このノウハウにより実現しているのがスピード融資であり、申し込みから融資を受けられるまでの時間が他の金融機関に比べて圧倒的に早く、消費者金融によっては30分で一連の手続きを完了させることが可能になっており、即日融資を可能にしています。
長い間、消費者金融は怖いというイメージが一般的についていましたが、もともとこの負のイメージを与えた消費者金融はごく一部であり、このような負のイメージを払拭させるために大手の消費者金融がイメージ回復に長年努めてきたため現在では消費者金融を利用することに利用者も以前に比べて抵抗がなくなってきています。
消費者金融でカードローンを利用すると金利が高くなるというイメージが強かったのですが、現在では消費者金融でも銀行並の低金利でカードローンを利用できるところもあり、銀行とのカードローンのサービス内容と差はなくなりつつあります。
銀行が提供するカードローン
カードローンを提供している金融機関に銀行がありますが、もともと銀行は融資に関して法人向けを主としてきたため、個人向けのカードローン事業に参入を始めたのも最近のことですが、銀行ならではの金利の低さや高い信頼度を誇る銀行でのカードローンは人気を集めています。
銀行のカードローンを利用するにあたって、金利の低さがメリットですが銀行は消費者金融と違い個人から預金もしているため銀行の信用度を保つという観点から審査が厳しく設定されているのが普通で審査が厳しいということは審査にかかる時間も長くなるということでカードローンそのもののメリットである速攻性にやや欠けてしまうというデメリットがあります。
だだし、メガバンクや大手銀行などは傘下やグループ内に消費者金融を抱えているところも少なくなく、このような銀行では消費者金融が長年培ってきたノウハウを利用してカードローンを提供することが可能になっているため、消費者金融並のスピード融資を実現しているところもあります。
他の金融機関が提供するカードローンと比べて敷居が高く感じる銀行の提供するカードローンですが、銀行カードローンに介入している保証会社が大手消費者金融である銀行も少なくないため、このような銀行では審査基準に関して消費者金融と大きく変わらない場合もあります。
また、総量規制がかからない銀行ならではのメリットもあり、金利の低さ・信用度と相まって年々利用者が増加傾向にあります。
ローンの中のカードローン
消費者金融や銀行が提供しているカードローンですが、比較的利用にあたってのシステムが簡単なので誰でも使いやすいといったことから、いずれの金融機関も特に力を入れているローンの1つです。
通常のローンと明らかに異なるのは、使用目的があらかじめ決められていなくても利用できるという点で、使用目的が自由になっているところですが、通常のローンを利用する場合はあらかじめ決められた使用目的に沿った借り入れを行い、使用目的を果たした後は決められた返済を毎月していくことになるので、通常のローンとカードローンとは大きく異なります。
使用目的があらかじめ定められていないローンとしては各金融機関が提供するフリーローンというローンが存在しますが、この場合も申し込み時に設定した借り入れ金額が最初にすべて振り込まれ、その後、毎月決められた金額を完済に向けて返済していくので通常のローンと仕組みは同じです。
このように自由性が高いのがカードローンの特徴ですが、自由性が高い反面、金融機関が提供するローンの中では特に金利が高く設定されているのが特徴で、100万円程度の借り入れの場合、フリーローンなら金利が数%になりますが、カードローンの場合は金利が10数%に達します。
使用目的も決めていなくてもお金の借り入れを行うことができますが、1度カードを作ってしまえば簡単にお金の借り入れや返済が出来ることになるので、管理が難しいという欠点もあり、利用に関しては注意が必要です。
担保・保証人
ローンを組んでお金を借りようとする場合、担保をつけて保証人を立てる必要がありますが、カードローンの申し込みをする場合は職業や年収に関わらず担保や保証人を用意しなくても利用できるようになっているのがほとんどです。
そのため、カードローンの契約に関しては個人の収入のみで利用できるようになりますが
裏を返せばお金の借り入れに関してのすべての責任を自分で負わなければならないため、返済が不能になり遅延してしまうと返済義務は個人にすべてかかるとあらかじめ留意しておかなければなりません。
また、カードローンの利用をする場合は金融機関と申し込み者の間に信用保証機関という第三者の機関が介入することになりますが、この信用保証機関が担保や保証人としての責務を負ってくれるので、利用者は担保や保証人を用意しなくてもカードローンを利用することが可能になっています。
ただし、この信用保証機関は返済出来なくなったお金を代わりに銀行に返済してくれますが、その信用保証機関が返済したお金についてはそれで終わりではなく、新たに信用機関に対しての返済がはじまることになります。
担保や保証人を用意しなくていいというのは、これからお金の借り入れを考えている者にとっては非常にありがたいことですが、お金を借りることに関して担保や保証人不要がいらないと申し込み者にとって負担が軽減されることになりそれだけお金の借り入れをすることに対しての意識が薄れることになるので、注意が必要です。
総量規制
総量規制とは、お金の借り入れをする場合に年収の3分の1を超えて借り入れをすることができないという賃金法で定められている決まりで、平成18年から施行が始まり、これを守らなかった賃金業者は法律で罰せられることになっています。
総量規制ができた背景には多重債務者の増加の背景があり、近年お金の借り入れ方も以前に比べて多様化したので、キャッシングの利用者が増加する一方で、お金の借り入れにかかる負担が減ったことなどから必要以上にお金を借りてしまい、多重債務に陥る利用者も増加の一途を辿るようになりました。
この多重債務者を減少させるのが目的で誕生したのが総量規制で、総量規制が誕生したあとは多重債務者の減少傾向にありますが、お金を借りられなくなった者がヤミ金融でお金を借り入れて破産するといったケースも増加傾向にあり、一概に総量規制で問題が無くなったとはいえない状況になっています。
ただし、この総量規制が適用されるのはあくまで賃金業法の適用範囲内にある消費者金融であり、銀行法の範囲内にある銀行は賃金業法の対象外となるので総量規制の影響を受けないことになります。
この総量規制により、総量規制対象外となる銀行が提供するカードローンに注目が浴びることになり、利用する人も大幅に増えることになりました。
ただ、総量規制の対象外ではありますが、もともと銀行でカードローンを受けようとする場合は審査が厳しく設けられているのが普通なので、総量規制を超えての借り入れ自体難しいものがあります。