04-01 返済相談には無料と有料がある
債務の返済相談を無料で受け付けてくれる機関や専門家が増えています。借金問題の相談の為に新たにお金を払うのであれば相談に躊躇してしまうというのも分からなくはありませんが、実際問題として無料と有料ではどのように違うのでしょうか。
無料の相談会など、他の相談者がいる場で具体的な相談をするのは難しいでしょう。だからといって、最適な解決方法が見つかるまで無料で相談に乗ってくれる専門家の事務所を幾つも個別に訪ねて回るのも現実的ではありません。幾つも回っても解決に辿り着けない可能性さえあります。もちろん、有料ならばあなたに最適な解決方法が簡単に見つかるというものでもありません。お金を掛けたくない実情は理解できますが、頑なに無料相談に拘るのも如何なものかということです。
解決策が見つかったとしても、その後の手続き費用が高ければ新たな相談相手を探すというように、何事も費用だけで判断しようとする人は少なくありません。債務整理の専門家と呼ばれる人たちは、様々な法律や手続きに精通しているのであって、債務整理稼業を営んでいるのではありません。債務整理後の相談者の家計や将来についてまで含めたうえで解決策を提案しているのであって、お金儲けだけを目的としているワケではありません。
無料にも有料にもそれぞれにメリットとデメリットがあり、相談内容によっては最初から有料を選んだほうが良い場合もあります。本気で借金苦から抜け出そうと思うのであれば、相談料は欠かせないものだと考えるべきです。
04-02 借金苦な人からの返済相談~金利編
金利について詳しく知らずにキャッシングやローンを利用している人もいます。借金苦から抜け出すためには、金利についての正しい知識を身に付けておいたほうが良いでしょう。
金融機関によって金利の設定にはバラツキがあります。銀行や信用金庫では10%を超える金利を設定していることは殆どありませんが、消費者金融などを利用した場合は、最高上限の20%に金利設定していることも珍しくありません。同じ金額を借りていても、金利が低ければ完済も可能ですが、高金利で借りている場合は利息分を支払っているに過ぎず、いつまでも元本の返済が終わらないといった状態が続きます。
長期に渡って高金利の貸金業者に返済を続けている場合、利息分を払いすぎている可能があります。出資法と利息制限法による上限金利の差異である「グレーゾーン金利」が撤廃されているにもかかわらず、以前の高金利で返済している人もいます。金利を引き直すことによって、払いすぎた金利を元本に充当させて返済を終わらせることも不可能ではありません。専門家に相談してみましょう。
既に返済が終わっている分や現在の借入とは別に完済してしまっている債務などにも金利の引き直しが適用されることもあります。業者側の都合によっては不可能な場合もありますが、多くの場合で遡ることが可能ですから、早期に諦めることだけは避けましょう。
因みに、上限金利を変動制にしようとする動きが一部にあります。貸金に関する法律の動向には注意したほうが良いでしょう。
04-03 借金苦な人からの返済相談~借金整理編
実際に債務整理をするかどうかは別として、その方法について知っておくことは悪いことではありません。膨れすぎてしまった借金でどうにもならなくなる前に手を打つ必要があります。
債務整理とは自己破産を指すものと思われやすいのですが、自己破産以外にも任意整理や特定調停、個人再生など破産できないような事情がある場合に対応した方法が用意されています。借金の総額など各個人の事情に合わせた解決策を専門家が提案してくれます。自己破産したくないから返済相談には行かないと決め付けず、まずは相談して下さい。
弁護士や司法書士などの専門家に債務整理を依頼した場合や自ら債務処理に関する手続きを裁判所に申立てた場合、債権者が正当な理由も無いのに借金の取立てをすることが出来なくなります。しかし、取立てを止める為だけに債務整理を始めても根本的な解決には至りません。借金生活全体の解決を目指して相談するようにして下さい。
もちろん、無傷で借金問題が解決できるとは限りません。マイホームや連帯保証人のことを考えると債務整理に踏み切れない場合もあるでしょう。返済していく道筋がなかなか見えてこないことも少なくありません。しかし、解決できないことはありませんから、簡単に諦めないで下さい。
相談できる相手が身近にいない場合は、無料の相談会に出掛けてみるのも良いでしょう。信頼できそうな弁護士や司法書士の方に出会えれば、その後は個別に相談していくのが良いかと思います。インターネットなどを利用して検索する方法も近年では増えています。
04-04 司法書士への返済相談
借金の返済相談というと弁護士を想像してしまいがちですが、認定司法書士に相談することも可能です。相談を受けた司法書士の方はどのように受け止めているのでしょうか。
近年の相談者に多いのは、収入が低下したことで生活費が足りなくなり、不足分を借金で補おうとしたことが借金生活のきっかけになった人だそうです。様々なタイプの人がいるようですが、借りたものである以上は必ず返さなければならないとの考えは共通しているようです。
返さなければならないことは分かっていても、もう借りられるところが無くなってから相談に来る人が多数を占めており、借金返済のための借金をしたことを境にお金に振り回される生活になり、そうなると後はもう、債務整理するまで悪化していくばかりだそうです。自分の意思とは無関係な理由が原因で借金苦に陥る人がかなり増えている現状を考えると、失敗による被害をいかに少なくするかが大事なことのように思われます。
そう考えると、行き着くところまで行き着いてから相談に来るようではいけないということです。債務整理を無傷で終える人は殆どいないはずですから、傷口を広げないためにも早めに相談することがとても安全で確実な方法ではないでしょうか。インターネットや書籍などから情報を仕入れていても、自分には都合の悪い情報には目を瞑ってしまう債務者も少なくありません。自分でお金の勉強をするよりも、むしろ困ったことは専門家に相談し、日頃のお金の使い方に注意するのが債務者の努めであるかも知れません。
04-05 返済相談でトラブルにならない為に
近年、債務整理を請け負う弁護士と依頼者の間でのトラブルも目立ちます。トラブルの防止や不当な弁護士に当たらないよう、債務者も一定の知識を得ておくことが大切です。
トラブルとなる原因には、「進行状況を教えてもらえない」「高額報酬の請求」「契約書を作らない」「面談をしない」などが挙げられます。面談をしないのは以前から問題となっていましたが改善の傾向が見られませんでした。電話やメールでの相談では依頼者の真意と異なる受け止め方をされる場合もあり、意図した形と異なる結果になることも少なくありません。2009年には面談が義務化されるようになりました。
近所の人には知られたくないので、遠方の弁護士に相談したくなる依頼者の気持ちも分かりますし、面談が経済的な負担になることも理解できます。それでも面談の意思を持たない弁護士に相談するのは危険と言わざるを得ません。面談が義務化された現在でも面談日の調整をしようとしない事務所は怪しいと考えたほうが良いでしょう。
面談の義務化と共に設定されたのが報酬額の上限です。高額の報酬を請求された場合、何のために相談したのか分からなくなってしまいますので、債務者にとっては有り難い規制と言えるのではないでしょうか。
弁護士には面談の義務化、報酬の上限といった規制が設けられていることを知っていると、相談する弁護士選びにも有効です。債務整理を依頼しようとしていた弁護士が規定を無視しているようであれば、新たな弁護士を選んで相談しなおすことができる様になります。