年金や社会保障の基礎知識

老齢年金の支給要件、納付期間、受給期間の短縮、繰下げ支給など

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支給要件

「厚生年金に加入しているから、老後は安心」と思っている方も多いと思います。自営業の方は、国民年金に加入し、老後に備えている方も多いでしょう。しかし、老後に支払われる老齢基礎年金は加入していれば、誰でも支払われるわけではありません。

では、老齢基礎年金の支給要件についてみていきましょう。通常、老齢基礎年金は、被保険者が65歳となった時から、支給が行われます。しかし、誰でも受給が出来るわけではありません。老齢基礎年金を受給するためには、受給資格を満たしている必要があります。

「受給資格って、どんなもの?」と不安に思っている方もいるでしょう。原則、老齢基礎年金を受給するためには、受有資格期間を満たしている必要があります。この受給資格期間は、保険料納付期間に保険料免除期間を加え、更に合算対象期間を加えた期間が、25年以上あることが必要となります。

どんなに、加入後半に保険料を支払っていても、この条件が満たされていなければ、老齢基礎年金は支払われることはありません。しかし、受給資格期間を短縮している方は、この範囲とはなりません。

万が一、「一時期、仕事がなくて滞納となっている」という期間がある場合には、無年金という扱いとなっていますので、保険料免除の適用を行う必要があります。更に、60歳の時点で受給期間が20年以上ある場合には、60歳から65歳までに任意加入を行うことで、老齢基礎年金の受給資格を得ることが可能となります。

納付期間

老後は、「年金で、ゆっくりと暮らそう」と考えている方もいると思います。やはり、今まで一生懸命働いてきた方にとっては、老後の時間というのは楽しみなものですよね。では、老齢基礎年金の納付期間についてみていきましょう。

国民年金、厚生年金の第1号被保険者となっている方は、毎月保険料の支払いを行っていたと思負います。第2被保険者の方は、保険料は企業と折半で負担をしてきたことになります。

第3被保険者の場合には、「保険料を支払っていないけれど、保険は支払われるのだろうか?」と不安になっている方もいるでしょう。第3被保険者の方は、実際には保険料納付は行っていませんが、納付したものと見なされます。

保険料納付期間は、第1号被保険者の場合には、保険料を納付した期間となります。そして、第2被保険者の場合には、第2被保険者期間、そして20歳から60歳未満の間に支払った保険納付期間となります。第3号被保険者の方は、第3被保険者期間が納付期間となります。

転職を何度か経験している方は、厚生年金にどのくらい加入していたか、今から確認しておいた方が良いかもしれませんね。国民年金に加入している方も、滞納期間がないかどうか、など確認しておいた方が安心でしょう。万が一、滞納している期間がある場合には、早めに免除申請を行っておきましょう。

このように、老齢基礎年金の納付期間は、加入している保険の種類によって、異なってくることになりますので、注意しましょう。

受給期間の短縮

自営業の方、無職の方は、国民年金に加入していると思います。国民年金から、老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間を満たしている必要がありますので、今からどのくらいの期間となっているのか、確認しておいた方が良いでしょう。

では、受給期間の短縮についてみていきましょう。通常、受給資格の期間は、保険料納付期間に、保険料免除期間を加え、合算対象期間を足し、25年以上となっていることが必要となります。しかし、生年月日によっては、この支給条件がどうしても満たせなくなってしまう方もいます。

国民年金に加入している方で、生年月日により、どうしてもこの受給資格を取得出来ない場合には、受給資格期間の短縮を行っています。老齢厚生年金に関しても、同じ様に支給条件を満たしている必要がありますので、短縮を行っても、条件がクリアとならない場合には、老齢厚生年金は受け取ることが出来ません。

どういった方が対象となるかというと、大正15年4月2日から昭和2年4月1日までの生年月日の方。昭和2年4月2日から昭和3年4月1日生まれの方。昭和3年4月2日から昭和4年4月1日生まれの方。昭和4年4月2日から昭和5年4月1日生まれの方などが対象となります。

もしも、ご家族の方の中には、これらの誕生日に含まれる方がいる場合には、受給資格短縮の手続きを行う様にしましょう。疑問点などがある場合には、一度お住まいの市区町村役場の年金課に相談してみると良いですよ。

繰下げ支給

年金の受取りを、「今から、楽しみにしている」という方もいると思います。年金は、若い頃に積み立てていたものとなりますから、老後を豊かにするためには、大切なものですよね。年金といえば、65歳から支給されるもの。

しかし、中には「生活が苦しいから、もっと早く年金支給をしてほしい」と考えている方もいると思います。そういった方は、老齢基礎年金の繰上げ支給制度を利用することで、60歳から65歳までの間であれば、老齢基礎年金を支給することが可能となります。

しかし、この繰下げ支給を受ける場合には、デメリットがあります。それは、老齢基礎年金繰下げ支給を行うことで、万が一その後障害者となった場合には、障害基礎年金や寡婦年金は支給されなくなってしまいます。また、寡婦年金の繰上げ請求を行った場合には、寡婦年金の受給権は消滅してしまいます。

更に、繰下げ支給を行うことで、老齢基礎年金金額の総額が、減少してしまうこともあります。その減少額は、一生続くことになります。

ということは、どうしても生活が苦しくて、繰下げ支給を希望している方にとっては、繰下げ支給は魅力的ではありますが、「長生きする自信がある」という方は、繰下げ支給を行うことで、支給額が減額してしまうことになりますから、損をしてしまうことになります。

どちらにしても、老齢年金の繰下げ支給を行う場合には、簡単に考えずに、先々のことまで考えた上で、申請を行う必要があるでしょう。

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